組織の異端児/はみ出し者にシード投資を行うHAKOBUNEの特徴・投資先実績・投資判断のフローを解説します。
投資テーマや投資スタイル、組織体制などを独自取材しました!
(作成:StartupList編集部 最終更新:2022/12/26)
HAKOBUNEの概要
設立 | 2022年7月 |
所在地 | 東京都中央区日本橋富沢町9-4 |
ファンド規模 | 最大20億円 |
ファンドの特徴 | 1 超初期段階への投資/支援 2 成長スタートアップに関する豊富な事例/知見 3 次への成長へつなぐネットワーク |
投資ラウンド | Pre-seed, Seed, Pre-Series A |
バリュエーションレンジ | 応相談 |
投資金額 | 初回投資 最大50百万円 |
リード投資 | 積極的にリード投資を行う |
海外投資 | 案件に応じて行う |
タイプ | VC |
投資スタイル | ハンズオン |
支援内容 | ・投資先企業のニーズと事業成長に合わせた戦略力や、市場創造力のサポート ・事業作りを学ぶ講義「HAKOBUNE SCHOOL」の提供 ・10→100 フェーズにおける必要な支援提供可能なネットワークへの繋ぎ込み |
投資テーマ |
1 (課題解決型)産業領域ごとのVertical SaaS/B2Bサービス 2 変化の波に乗る領域(期待創出型)変化したライフスタイル、 ワークスタイルに沿うtoC/ESG/Web3.0などのサービス 3 変化をつくる領域(先端技術型)ゲームチェンジを起こしうるサービス・コンセプト, 5G/MR/AIなどの先端技術系 |
地域性 | 日本全国 |
その他 | ・Flagship Incubation https://incubation.hkbn.vc/ 新しい価値観や文化の形成を目指すサービス/プロダクトを支援する3ヶ月間のインキュベーションプログラムで、 採択と同時に1,200万円の出資も行います。 ・投資先限定情報ポータルの提供 投資先企業・関係者に対して、独自ポータルで人的ネットワークやサポートコンテンツなどの提供を行っています。 |
会社HP | https://www.hkbn.vc/ |
連絡先 (StartupList) |
栗島祐介・木村マサヒロ・高橋桃花 |
HAKOBUNEの組織体制
ジェネラル・パートナー2名、キャピタリスト4名を含む6名のチームで投資検討・実行を行っています。
栗島 祐介
Founding Partner
早稲田大学商学部卒。三菱UFJ投信を経て、2014年よりVilingベンチャーパートーナーズCEOとして教育領域特化のシード投資を行うと同時にレガシー領域の起業家コミュニティを創設し日本最大級のスタートアップコミュニティにまで育成。その後、2016年11月に起業家コミュニティをMBOし、プロトスター株式会社を設立。起業家・投資家の情報検索サービスStartupListなど多数の事業の立ち上げを経験。 教育系VC時代の主な投資先はサイトビジット(freeeへEXIT)・アルクテラス(コクヨへEXIT)・スピークバディなど。過去、起業家ハウスよりGITAI・Progate・Taskey・STUDIO・PULITなど多数のスタートアップ輩出も行う。
木村 正博
Founding Partner
グリー、LINEにてモバイルゲーム、AdTech,FinTechなどの領域において資本業務提携、M&A、PMI等の戦略投資業務に従事。またスタートアップ投資では、フェムトグロースキャピタル・LINE Ventures・DEEPCOREの投資担当としてB2C/B2BサービスからBlockchain、機械学習まで幅広い領域で投資と支援を実行し、2022年にシードVCのHAKOBUNEを設立。東京大学大学院工学系研究科修了。
高橋 桃花
Capitalist
2001年生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部在学時より、業務委託やインターンとしてスタートアップ・ベンチャー・VC数社に参画。新規事業開発やマーケティング・採用支援業務などに携わる。2021年よりスタートアップの成長支援を行うプロトスター株式会社での、エンタープライズ担当業務を経て、2022年HAKOBUNEに参画。アソシエイトとして投資支援業務に従事。大学在学中は、イノベーションの経済学を専攻。起業サークルの立ち上げも行う。
大人起業家の輩出サイクルをつくる
HAKOBUNEでは、国内で埋もれてしまっている優秀な大人の発掘や育成をし、次世代を担う事業家の創出をします。以下の要素を1つ以上持つような組織の異端児/はみ出し者に投資を行い、常識を覆す変化を起こす大人起業家の輩出サイクル構築を目指しています。
- スタートアップCXO経験者
- 特定事業領域における知見(第一線級のプロフェッショナル)
- 圧倒的な行動量に裏付けられた事業嗅覚
なお、”大人起業家”とは一概に年齢で区切るものではなく、知見と勝算を持って試行錯誤をできる起業家と定義しているそうです。
HAKOBUNEの投資判断のフロー
審査プロセス
審査プロセスは以下のフローになります。
① 初回面談(状況に応じて追加面談)
② パートナー面談
③ DD (顧客ヒアリング、必要書類の提出等)
④ 内部審査会
⑤ 投資委員会
審査スピードは、最短1週間〜最長2ヶ月程度(平均1ヶ月程度)です。
初回面談に必要な書類
以下の書類が必要です。
必須書類
- ピッチ資料
あると良い書類
- 資本政策表
- 株主名簿 など
投資判断における審査ポイント
重視する点は以下です。
- 市場への切り口
-時代の変化を捉えているか
-時代の変化の波に乗っているか
-時代の変化を作り得るか
- 創業チーム
-ビジョンだけでなく、売上にもこだわって継続的に事業と向き合えるか
マッチしにくい/相性の良くない会社や起業家
こんな会社や起業家には投資しにくい、というポイントについて伺いました。
- 誠実さに欠けていたり、他責思考が強かったりする方
HAKOBUNEの投資先
これまでに8社のスタートアップに投資しています。(2022/11/30時点)
代表的な投資先企業:KEEN株式会社
画像出典元:会社HP https://www.prhythmtech.com/
【事業概要】企業の営業・マーケティングデータからスター顧客を発掘する「KEEN Manager(キーン・マネージャー)」の開発・提供
【会社HP】https://keen-inc.com/
【投資への経緯】
初めて小倉さんにお会いしたときに、成長を続けるSaaSプロダクトには勝手にファンを増やしてくれるスター顧客が必ずいること、SalesforceやNotionなどの著名SaaS企業がそうしたスター顧客をいかに大事にしているかということを熱量をもって話してくれたことがとても印象的でした。スター顧客が起点となって、ファンがファンを生み出していくこの構造はまだあまり科学されていない領域です。KEEN Managerによってこれまで以上にたくさんのスター顧客が生まれるようになることを期待しており、小倉さんとプリズムテックがそれを実現できると信じています。
代表的な投資先企業:oshimo株式会社
画像出典元:会社HP https://oshimo.jp/
【事業概要】web3推し活プラットフォームoshimoの提供. NFTアイドルプロジェクトの運営
【会社HP】https://oshimo.jp/
【投資への経緯】
oshimoはまさにHAKOBUNEにとっての”推し”スタートアップです。これから世に出す事業は推し活を軸にグローバルに事業展開できるポテンシャルを秘めており、何よりも”推せる”経営チームがいます。web3世界はJoin(参加する)時代であると言われています。web2の世界では推し活をするファンは主に消費者としての立ち位置でした。今後のoshimoの取り組みによって、ファンは単なる消費者としてではなく、当事者として推しを盛り上げる世界が実現できます。推し活に勤しむ一個人としてもoshimoのプロダクトローンチを心待ちにしています。Go oshimo!
代表的な投資先企業:株式会社datagusto
画像出典元:会社HP https://www.datagusto.jp/
【事業概要】”レシピ”と呼ばれる分析テンプレートをクリックするだけで、誰でも簡単に”何時に荷電すれば担当者につながるのか”といった現場の疑問への答えをデータから導出することができるSaaS型AI分析ツール「datagusto(データグスト)」を展開。
【会社HP】https://www.datagusto.jp/
【投資への経緯】
代表であるパー麻緒さんはdatagustoのビジョンに真摯に向き合い続ける起業家で、いつ見ても明るくひょうひょうと振る舞っているのがよいです。それだからなのか、自然とサポーターになり、datagustoのことを応援してくれる人がひとり、またひとりと増えていく様子をこれまで見てきました。datagustoが成し遂げたい世界はとても難しいものなので、こうした仲間を着実に増やしていくことが事業の成長へと繋がっています。今はまだ小さなこの輪がこれからどのように、そしてどこまで大きくなっていくのか、Nasdaqを目指しながら楽しみたいと思います。
まとめ
HAKOBUNEは、大人起業家の輩出サイクルを目指して、創業期(プレシード・シード)のスタートアップへ投資を行っています。また、事業成長に向けた知見やネットワークの提供など手厚くサポートを行っているのも特徴です。興味のある方はぜひご連絡してみてください。
※概要欄に連絡先を記載しております。
なお、本記事は国内最大級の起業家・投資家・事業会社のマッチングサービス「スタートアップリスト(Startup List)」が提供しております。資金調達や事業連携先をみつけたいスタートアップはぜひご活用ください。