シードラウンドとは?資金調達手法や特徴、基準、投資ラウンドを紹介

シードラウンドとは?資金調達手法や特徴、基準、投資ラウンドを紹介


シードラウンドとは?投資ラウンドやシードラウンドの特徴、投資基準、具体的な資金調達先を紹介!


シードラウンドは、法人化前後のスタートアップが行う投資ラウンド(資金調達ラウンド)を指します。仮説検証やMVPの作成が主に行われ、500万〜5,000万円程度の資金調達が行われるのが一般的です。投資家がスタートアップ企業の事業段階を把握し、投資判断や投資額を決定する際に用いられます。


本記事では、シードラウンドの特徴やシードラウンドでの投資家の審査基準、同じ投資ラウンドに含まれるエンジェルラウンドやプレシリーズAとの違いをわかりやすく解説します。




前川英麿さん 監修

プロトスター株式会社 代表取締役CEO


早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社(現、大和企業投資株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社)に入社し、ベンチャーキャピタルに従事。その後、常駐のターンアラウンド支援に特化したフロンティア・ターンアラウンド株式会社を経て、2015年スローガン株式会社に参画。投資事業責任者としてSlogan COENT LLPを設立し、執行役員カンパニープレジデント就任。2016年11月に挑戦者支援インフラを創るべくプロトスター株式会社を創業。


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シードラウンドとは?




シードラウンドは、法人化前後のスタートアップが行う投資ラウンドの1つです。


事業段階

シードラウンドは、ビジネスモデルが定まり、法人の設立や実際にビジネスを始める前の準備をしている段階です。具体的には自社ビジネスのポテンシャルを測るために、仮のサービスサイト(=LP)やプロトタイプといった顧客がビジネスアイデアの価値を感じられる必要最低限のプロダクト(=MVP)を作成し、プロダクトそのものの価値の検証やニーズの強さなどの検証を行います。

調達金額・期間

シードラウンドでの、調達資金の主な使い途は以下のようになっています。

・法人設立の費用

・自社ビジネスに関する調査費用

・開発体制を整えるための費用

・プロトタイプの研究開発費用

・人件費


資金調達金額の相場は500万〜5,000万円程度です。

調達まで必要な期間としては、数ヶ月が必要となってきます。


シードステージとの違い

インターネット記事を調べていると、「シードラウンド」と「シードステージ」という2つの似た用語が見られると思われるのですが、この2つは実は指しているものが異なります。


シードラウンド」は、投資家がスタートアップ企業に投資する際に、その企業の事業段階を把握するために用いる、投資ラウンドの1つです。投資ラウンドは、ビジネスの創業段階から順に、エンジェルラウンド、シードラウンド、プレシリーズA、シリーズA, B, C…のように分けられています。簡単にいうと、投資家目線で企業の事業段階を分けたものを投資ラウンドといいます。


シードステージ」は、スタートアップ企業目線で企業の事業段階を分けた成長ステージの1つです。成長ステージは、ビジネスの創業段階から順に、シードステージ、アーリーステージ、ミドルステージ、レイターステージに分かれています。


そもそも投資ラウンドとは?

投資ラウンドとは、スタートアップ企業の事業段階を投資家目線で区別したものです。


投資ラウンドは、事業段階順にエンジェル、シード、プレシリーズA、シリーズA, B, C…のように分けられています。


それぞれのラウンドの特徴を見やすいように表にまとめました。




投資ラウンドは、マイルストーンと呼ばれる中期的な目標が達成される毎に変化します。マイルストーンとしては、チームの有無やプロダクトの開発状況、トラクション(顧客からのフィードバック)の有無、マネタイズができているかなどが挙げられます。


投資ラウンドに関しては以下の記事により詳しくまとめられているので、さらに深く理解したい場合にはご一読ください。


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投資ラウンドとは?専門家が教えるスタートアップの資金調達と注意点


エンジェルラウンド、プレシリーズAとの違い


投資ラウンドは、企業の中期的な目標であるマイルストーンが達成するごとに変化します。


エンジェルラウンド




エンジェルラウンド(プレシード)ラウンドは、チームもまだ結成されておらず、プロダクトに関してもまだない状態で、サービスのアイデアのみあるという状況です。まだ、法人化もされておらず、ビジネスとして始動していない段階です。


エンジェルラウンドからシードラウンドへ進む上では、PoC※1の達成やMVP※2の作成をすることがマイルストーンとされています。


※1 PoC(Proof of Concept:概念検証)とは、実現しようとしているアイデアが解決しようとしている概念や課題を解決するかやその効果を検証することを指します。ユーザーがどう感じるかは別として、想定している課題が解決されるかどうかを簡易版のプロダクトを用い、検証します。


※2 MVP(Minimum Viable Product)とは、自分たちのアイデアを具現化したサービスやプロダクトに対し、ユーザーが価値を感じるために必要な最低限の機能を備えた製品サービスのことを指します。


プレシリーズA




プレシリーズAは、PSF※3、PMF※4の達成を目指している段階です。α/β版のプロダクトを顧客に実際に使用してもらい、ユーザーの反応を見ながら、製品のブラッシュアップを進め、サービスが使われるマーケットを見極めている状態です。


シードラウンドからプレシリーズAへ進む上では、実際に想定しているターゲット層に製品プロダクトを使用してもらい、トラクション(新規顧客数、継続率、解約率などの数値や顧客からのフィードバック)を得る必要があります。


※3 PSF(プロブレムソリューションフィット)とは、自社の製品サービスが顧客の課題を解決するのに、最適な方法である状況を指します。PSFの達成を確認するためには、実際に顧客に自社製品サービスを使用していただき、反応をみる必要があります。


※4 PMF(プロダクトマーケットフィット)とは、自社の製品サービスが顧客の課題を解決し、最適な市場に提供されている状態を指します。PMFが達成されているかを検証するには、製品サービスの登録率、継続率、解約率、満足度などを定量的に測っていくことが必要です。結論、プロダクトが顧客にとって必須になっており、収益化できる状態を指します。


シードラウンドの資金調達先


シードラウンドの資金調達先としては、主に以下の4つが挙げられます。

・VC(ベンチャーキャピタル)

・エンジェル投資家

・株式投資型クラウドファンディング

・政策金融公庫


シードラウンドでは、VCとエンジェル投資家からの資金調達がメジャーです。最近は株式投資型クラウドファンディングも注目を浴びています。


VC

VC(ベンチャーキャピタル)とは、高い成長が見込まれるベンチャー企業やスタートアップ企業などの未上場企業に対して投資を行う会社のことです。


資金面での支援を行う代わりに投資先の企業の株式を取得し、投資先の企業が上場したり、大企業への合併や売却などをして、株価が上がった時に取得した株式を売却することで利益(キャピタルゲイン)を得ることを目的としています。VCでは資金を出資するだけでなく、ハンズオン(経営アドバイス、人脈の提供、施設の提供など)と呼ばれる経営支援を行うところもあります。


◎具体的な資金調達先

・Coral Capital

・ANRI

・Genesia Ventures

・CyberAgent Capital

・NOW

・MIRAISE

・B Dash Ventures

・Beyond Next Ventures

・ANOBAKA

・Archetype Ventures

・ニッセイ・キャピタル

・D4V

・MONEX Ventures


以下の記事ではStartupListで独自取材したシードラウンドを対象とするVCの特徴や投資判断のフローに関して、詳しくまとめているので、さらに深く理解したい場合にはご一読ください。


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エンジェル投資家

創業前後の企業に対して、資金を直接出資する個人投資家のことです。エンジェル投資家は自ら会社を創業した経験がある方が多いため、資金だけでなくエンジェル投資家の持つ人脈の提供や経営に関するアドバイスを得ることができます。


株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングとは、クラウドファンディング事業者を通じて、未上場のスタートアップ企業に対して投資ができる比較的新しい資金調達方法です。

株式投資型クラウドファンディングでは、短期間で資金調達ができ、プロダクトリリース前にニーズを確認することができるというメリットがある一方で、投資家の数が増えるため、管理が煩雑になったり、1億円までしか資金調達ができないというデメリットもあります。


◎具体的な資金調達先

FUNDINNO

Unicorn

イークラウド


政策金融公庫

政策金融公庫とは、国の経済発展や地域活性化を目的として支援をしており、民間の金融機関では融資されない、リスクの高い事業への融資も行う公的金融機関です。


◎具体的な資金調達先

日本政策金融公庫 新創業融資制度


投資家の審査基準


①創業チーム(経験などによるビジネスアイデアとのフィット感)

②マーケット(市場規模や市場のポテンシャル)

③ビジネスアイデア(市場でのポジショニングや切り口)


シードラウンドからプレシリーズAへのマイルストーンは「製品サービスを実際に形にできるか」「ユーザーからのトラクションを得られるか」であるため、アイデアを形作る能力やユーザーからのフィードバックをスピード感を持って製品サービスに反映できる能力やチームワークが創業チームにあるかが投資家にみられます。また、そもそものビジネスアイデアが今後競合と比べて勝ち上がっていけるか、そもそもの市場の大きさ、ポテンシャルなども重要視されます。


まとめ


本記事では、投資ラウンドの1つであるシードラウンドの特徴や他のラウンドとの違い、具体的な資金調達先などを紹介しました。シードラウンドでの資金調達は、まだ会社として実績がないため、資金調達先をしてくださる投資家を探すのに時間がかかります。投資家によっては、事業のサポートを積極的に行ってくださる方もいるので、自社にあった投資から資金調達をしましょう。



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