【2026年版】アクセラレーターとは?インキュベーターとの違いやできることを紹介

【2026年版】アクセラレーターとは?インキュベーターとの違いやできることを紹介

資金調達
2026.01.15

スタートアップエコシステムが成熟し、政府の「スタートアップ育成5か年計画」の総仕上げとも言える2026年現在。企業の新規事業開発やスタートアップの成長加速において、「アクセラレーター」の重要性はますます高まっています。

 

本記事では、アクセラレーターの基礎知識から、インキュベーターやVCとの違い、2026年の最新トレンドを踏まえたプログラムの種類、そして参加するメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

 



アクセラレーターとは

まず、アクセラレーターの定義と、その役割について解説します。

アクセラレーターとは

アクセラレーター(Accelerator)とは、「加速させるもの」「促進させるもの」を意味する言葉です。自動車のアクセル(Accel)と同じ語源を持ちます。

 

ビジネスシーンにおいては、「スタートアップやベンチャー企業、社内起業家の事業成長を『加速』させるための支援組織やプログラム」を指します。通常、3ヶ月〜6ヶ月程度の短期間で集中的な支援を行い、事業の急成長(グロース)や協業によるイノベーション創出を目指します。

 

アクセラレータープログラムとは

アクセラレータープログラムとは、大手企業や自治体、大学などが主催となり、公募で選ばれたスタートアップに対して実施する成長支援パッケージのことです。

 

単に資金を提供するだけでなく、以下のようなリソースが提供されるのが特徴です。

  • ・主催企業の技術や顧客基盤(リソース)の提供

  • ・メンターによる伴走支援

  • ・実証実験(PoC)のフィールド提供

  • ・出資(マイナー出資が行われるケースも多い)

  •  

インキュベーター・ベンチャーキャピタル(VC)との違い

アクセラレーターと混同されやすい言葉に「インキュベーター」と「ベンチャーキャピタル(VC)」があります。それぞれの違いを一覧表で比較します。

 

  アクセラレーター インキュベーター ベンチャーキャピタル
支援をする目的 新規事業や起業の成長スピードを支援 事業の創出・支援 将来的なキャピタルゲイン
支援の対象企業 シード期以降のスタートアップ・ベンチャー・企業内の新規事業 創業直後やシード期以前のスタートアップ・ベンチャー 上場前のスタートアップ
支援期間 数か月〜半年(短期間) 数年〜(長期間) 数年〜エグジットまで
支援の方法 支援企業との業務提携やノウハウ、出資、融資 場所の提供・資金・ノウハウ 出資と成長のための助言
支援を受けた側の自由 高い 低い VCの方針によるが、制約が多く低い
支援を受けるメリット 支援企業との連携による早期の事業成長 事業構想段階における経営資源の確保 事業成長段階における資金の確保
参加してもできないこと

支援の延長

※可能なプログラムも存在する

入居施設における設備の独自変更

VCとの事業連携

※CVCの場合はあり

 

2026年の傾向: 以前は明確に区分されていましたが、近年ではVCがアクセラレータープログラムを運営したり、インキュベーション施設がアクセラレーション機能を持つなど、境界線はシームレスになっています。

 

アクセラレータープログラムの種類

2020年代中盤を経て、アクセラレータープログラムの形態も多様化しています。
 

1. オープンイノベーション型(共創型)

現在最も主流な形式です。大手企業が「自社のリソース」を開放し、スタートアップの「技術・アイデア」と組み合わせることで、新規事業を共創します。

 

  • 特徴: 大企業の顧客基盤やブランドを活用できるため、スケールしやすい。

  •  
  • トレンド: 1社単独ではなく、複数企業や自治体が連合を組む「コンソーシアム型」が増加しています。

  •  
 

2. ディープテック・大学連携型

AI、宇宙、バイオ、量子コンピュータなど、研究開発型スタートアップを支援するプログラムです。

  •  
  • 特徴: 技術的な検証期間が長いため、通常のプログラムよりも長期的な視点で支援が行われます。大学や研究機関が主導するケースが増えています。

  •  

3. ビジネスマッチング・メンタリング型

具体的な協業よりも、まずは販路拡大やビジネスモデルのブラッシュアップを目的としたタイプです。

  •  
  • 特徴: 多くの企業と接点を持てるため、初期のネットワーク作りに最適です。

 

アクセラレータープログラムの流れ

アクセラレータープログラムに参加した際にはどのような進行で進んでいくのでしょうか。
おもな流れを簡単に紹介します。
 

ビジネスアイデアの募集

スタートアップ・ベンチャーだけではなく、大企業の資金事業部門に対して、今回募集のテーマを提示して広くビジネスアイデアを募集します。
募集はセミナーや専用WEBページ等を通じて行われますが、多くの支援企業が参加する場合は、PRやメディアでの告知も大々的に行われるでしょう。
 

ビジネスアイデアの選抜

集まったビジネスアイデアの中から、書類審査とともに、経営者や事業責任者との面談を行います。
提出されたビジネスアイデアの可能性に加え、経営者や事業責任者のビジョンや、事業計画に対するヒアリングが複数回実施されることとなるでしょう。
アクセラレーター支援企業とのシナジーの可能性や、スタートアップ・ベンチャーのステージを検討して、アーリーからレイターまで、バランスよく選定されることもあります。
 

支援期間

選抜された場合には、アクセラレーターからの支援が一定期間受けられることとなります。
期間中にどのような事業成長が考えられるのか、スタートアップ・ベンチャーにとってはノウハウを持つ企業から受けることができる貴重な機会です。
しかし、時間が比較的短期間であることから、成長のための事業検討や検証に集中しなければならないでしょう。
 

成果発表

支援期間終了ののち、得られた成果を発表します。
この成果発表会において、今後の更なる支援を得ることができたり、新規事業の新たな芽が生まれることとなります。
 

選考を通過するためのポイント

アクセラレータープログラムは、比較的目の肥えた審査員が厳しい目で審査を行います。
選考を通過するポイントについて確認してみましょう。
 

事業プランに対して市場成長性や魅力があるか

審査にあたり、事業プランに市場性があり、魅力的なものでなければなりません。
また、絵に描いた餅ではなく、実現可能なものであるか、更に新規性がある事業であるかも厳しくチェックされるでしょう。
支援期間中のメンターとの壁打ちで更に実現可能性に向けてブラッシュアップしますが、入り口の段階で、事業が魅力的に映る必要があります。
 

支援企業や社会の課題解決になるものであるか

アクセラレーター支援企業とのシナジーが生め、新たに事業課題の解決に繋がるものであるか、また社会課題の解決に寄与するものであるかも大切なポイントです。
また、応募する企業だけではなく、支援企業に対しても実現可能な、Win-Winとなる事業構想が必要になります。
 

責任者のビジョンやチーム編成が固まっているか

応募する責任者のビジョンや事業にかける想い、また共に事業を作っていくチーム編成も重要なポイントです。
スタートアップ・ベンチャーは少数精鋭のため事業に関わる全員となりますが、大企業における新規事業は事業に全力でコミットするチームになっている必要があります。
支援企業側が継続的に支援しつつ事業を伸ばしていくために、チーム編成が強固なものであるかが面談を通じてチェックされるでしょう。
 

アクセラレータープログラムに参加するメリット

アクセラレータープログラムに参加するメリットとしては、参加企業や企業の置かれている状況により様々ありますが、主なものを以下に紹介します。
 

ノウハウやリソースの確保

特にスタートアップ・ベンチャーにとって大きな課題である、ノウハウやリソースの確保が挙げられるでしょう。
事業を成長させるための人的リソースや、販路開拓、さらには双方で実施することによりコスト削減が図れるなどの効果があります。
アクセラレーターである大企業には、参加企業にとっての支援材料となるリソースが各所にあり、上手く活用できれば事業拡大の可能性が大いに広がることとなるでしょう。
 
 

スタートアップ・ベンチャーにおける信用の向上

スタートアップ・ベンチャーが名の通っている大企業と協業する場合、その企業のお墨付きを得ることができるでしょう。
その場合、プログラム終了後に事業展開していくにあたって、新規顧客獲得や、他企業との新たな事業提携の可能性も期待できます。
 

新たな考え方の吸収

プログラムを通じて、スタートアップや大企業の新規事業双方に共通することとして、お互いにない新たな考え方が吸収できる点が挙げられます。
社内では中々考え方が固まってしまい、新規性ある発想が生まれないという難点に対して、自社で活用すれば新たな企業価値向上に繋がるでしょう。
 

事業企画案に対する的確なフィードバック

プログラムには知見がある専門家が参加するため、事業のブラッシュアップを通じて、的確なフィードバックを得ることができます。
社内だけでは成しえなかったアドバイスが入手でき、改善や成長のヒントが得られるでしょう。
 

アクセラレーターに参加してもできないこと・デメリット

スタートアップ・ベンチャーにとってリソース等におけるメリットはあるものの、逆にデメリットもありますので、具体的に見ていきます。
 

お互いのカルチャーの違い

スタートアップ・ベンチャーは、独自のカルチャーや外せない考え方を持っているのが一般的です。事業を行うにあたって、スピード感や、ビジョン、ミッションに合致しているかも重要な指標でしょう。
 
対して、大企業においては社内のフローや決済など、一定のプロセスの中で決めていくことが一般的です。これらが相容れない場合においては、事業を進めたくても先に進まない事情も発生する可能性があります。
 
決裁の遅さにより、スタートアップ・ベンチャーが持つスピード感が削がれることもあり、予め制約条件がないかも見ておくことが大切です。
 

事業の方向性の違い

スタートアップ・ベンチャーが持つ事業の方向性と、大企業が考えているものとが合致しないというものです。
お互いにWin-Winとなるのが理想的ですが、どちらかにしかメリットがない場合は、途中で頓挫してしまうこともあるでしょう。
 

アイデアの漏洩や無断使用の可能性

お互いに温めてきたアイデアが、何らかの形で漏洩し他に無断で使用されてしまうということが発生するかもしれません。参加企業はお互いに参加プログラムの規約や、契約を遵守しながら進めていく必要があります。
 

出資や融資が保証されるものではない

参加により、企業からの出資や融資が保証されるものではありません。参加企業の事業を伸長させるものとして取り組み、結果的に出資が実行されると考えておく方が良いと考えられます。
 

アクセラレーターを開催するメリット

開催側としてのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
大企業において、普段の環境からは中々得られ難い効果があるのも事実であるので紹介します。
 

新規事業の発掘

応募してきた多くのスタートアップ・ベンチャーと接することにより、数多くの事業プランを確認することができます。
テーマによっては、自社が検討したい領域の提案も考えられるため、新たな事業の芽を発掘できる可能性があるでしょう。
 

市場の最新トレンドの吸収

スタートアップ・ベンチャーは市場性や、社会にあるSDGs等の課題にフォーカスをして起業し、事業展開しています。大企業においては、既存事業を重視する余り、中々新たなトレンドには目が向かず、インプットしづらい状況下にあることが普通でしょう。審査の段階で支援側では気付かなかった着眼点に、スタートアップ・ベンチャーは注力していることが分かります。
 

支援側企業のモチベーション

支援企業側においては、普段は企業内で新規事業を構想する側であることも多いでしょう。そのような中で、スタートアップ・ベンチャーにおける、新規事業の企画を見ることにより、チャレンジ精神を目の当たりにすることとなります。チャレンジする姿勢が普段は社内にはない支援企業側にとっては大きな刺激となり、新たな事業機会創出の意欲に繋がるでしょう。
 

創業支援を通じた社会貢献

大企業が創業間もない有力企業を発掘、支援していくことは、今後の日本経済の活性化において社会的に意義があることです。新規創業が増えると、成長段階では多様なスキルを持つ人材が必要となり、新たな労働力の担い手としての貢献度も上がるでしょう。また支援企業が将来的に成長して、利益が出てきた段階では、国や自治体に対する納税にも影響があります。
 

アクセラレータープログラムの事例

最後にアクセラレータープログラムにおける成功事例を確認してみましょう。
 

Sony Startup Acceleration Program

ソニーグループが運営するプログラム。社内起業からスタートしましたが、現在は社外のスタートアップ支援や、他企業の新規事業支援へとプラットフォーム化しています。製造業のノウハウを活かしたハードウェア開発支援などに強みを持ち、長期的に多くの事業を生み出し続けています。
 
 

TOKYO STARTUP GATEWAY

東京都主催のコンテスト型プログラム。テクノロジー系だけでなく、ソーシャルビジネスや個人的な原体験に基づく事業など、幅広い領域を対象としています。若手起業家の登竜門として定着しており、ここから数多くの上場予備軍が輩出されています。
 

まとめ

2026年、アクセラレータープログラムは単なる「イベント」ではなく、企業の生存戦略における重要な「エコシステムの一部」となりました。

 

スタートアップにとっては、自前主義にこだわらず、外部リソースをうまく活用(レバレッジ)して成長スピードを上げることが成功への鍵となります。一方で、自社のフェーズに合わないプログラムへの参加は時間の浪費になりかねません。

 

自社の課題は何か、リソース不足なのか、信用不足なのか。目的を明確にした上で、最適なプログラムへ挑戦してください。

 

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