【厳選10選】起業家とスタートアップで戦う仲間のための、不朽の「漫画5選」&「映画5選」
スタートアップの日々は、予測不可能な挑戦と困難の連続です。ゼロからイチを生み出すプレッシャー、限られたリソース、チームビルディングの壁、そして容赦なく減っていくキャッシュ。時には全てを投げ出したくなる瞬間もあるでしょう。
しかし、そんな時だからこそ、ビジネス書やノウハウ記事からでは得られない「熱量」や「視点」を、物語からチャージすることが必要です。
本記事では、時代を超えて「スタートアップのリアルと本質」を学べる、真のベストセレクションを「漫画編」「映画編」に分けて合計10作品、厳選してご紹介します。単なるエンターテイメントではなく、「事業創造」「組織論」「戦略」「マインドセット」の観点から、あなたの背中を押してくれる作品を集めました。
ゼロイチと組織を学ぶ【漫画編 5選】
まずは、ページをめくる手が止まらなくなる、熱いストーリーテリングから「事業創造」と「組織」の本質を学べる5作品です。

1. トリリオンゲーム
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あらすじ: 類まれなコミュニケーション能力と人心掌握術を持つ「ハル」と、PC知識と技術力は天才的ながらも人付き合いが苦手な「ガク」。正反対の二人がタッグを組み、ハッタリと戦略、そして確かな技術を武器に、ゼロから1兆ドル(トリリオン)企業を目指す、ノンストップ・サクセスストーリー。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「ゼロイチの突破力」と「ビジョンを語る力」を学ぶ最高の教科書です。リソースも信用もゼロの状態から、いかにして大企業や百戦錬磨の投資家を巻き込み、事業をドライブさせるか。 主人公ハルの「ハッタリカ」は、単なる嘘や勢いだけではありません。それは「未来のビジョンを、あたかも現実であるかのように確信を持って語る力」であり、資金調達のピッチや初期メンバーを採用する際に不可欠なスキルそのものです。 既存の規制や常識を疑い、「無理だ」と言われることを「どうすれば可能か」だけを考え抜き、ルールの隙間を突いて最速で市場を獲りに行く感覚は、特にシード期の起業家にとって強烈な刺激と勇気を与えてくれます。
2. 宇宙兄弟
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あらすじ: 自動車設計会社をクビになった兄・南波六太(ムッタ)が、先に宇宙飛行士になった弟・日々人(ヒビト)を追うため、30歳を過ぎてからゼロから宇宙飛行士選抜試験に挑む物語。JAXAやNASAを舞台に、国や文化の異なる仲間たちと、生死をかけた困難なミッションに挑みます。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「高難易度プロジェクトの推進」と「大人のチームビルディング」の最高傑作です。スタートアップとは、まさに「月に行く」ような、誰も成し遂げたことのない不確実で困難なミッションに挑むチームです。 本作では、多様な専門性を持つプロフェッショナルが、時に衝突し、時に支え合いながらミッションを遂行します。特に主人公・六太が見せる「問題解決能力」と、対立を恐れずに対話し、チームの雰囲気(心理的安全性)を最大化していくリーダーシップは、現代のスタートアップ経営者が直面する課題そのものです。失敗からの再起、リーダーとしての覚悟を学べます。
3. キングダム
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あらすじ: 古代中国の春秋戦国時代。戦争孤児で奴隷の身分だった少年「信」が、唯一無二の親友と誓った「天下の大将軍になる」という夢を追う物語。後に始皇帝となる若き王・嬴政と出会い、数々の死線を乗り越えながら、最下層から成り上がっていきます。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「ビジョン共有型リーダーシップと組織の熱狂」を学ぶなら、この作品をおいて他にありません。信が率いる「飛信隊」は、まさにリソースも実績もない初期のスタートアップそのもの。なぜ絶望的な戦況でも士気が落ちず、格上の敵に勝利できるのか。 それはリーダーである信が、誰よりも強くビジョンを信じ、最前線で体を張り、仲間の功績を心から讃えるからです。物語が進むにつれ、組織が急拡大(グロース)する過程での葛藤や、初期メンバーと新メンバーの融合、組織化の痛みまでリアルに描かれます。チームの熱量をどう生み出し、維持するかに悩む全てのリーダー必読です。
4. 東京トイボックス
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あらすじ: 秋葉原の片隅にある倒産寸前の弱小ゲーム開発会社「スタジオGIGA」。社長の天川太陽は「面白いゲームを作ること」に人生の全てを捧げる熱血漢ですが、ビジネスセンスは皆無。彼の会社に、エリートキャリアウーマンの月山星乃が出向してくるところから物語は始まります。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「プロダクト愛(理想)とビジネス(現実)の葛藤」という、スタートアップ永遠の課題を描いた名作です。 「本当に作りたいもの」と「売上・納期・資金繰り」の狭間で、エンジニアやクリエイターはいかに疲弊し、どこでモチベーションを見出すのか。開発チームのマネジメントに悩む経営者やPM(プロダクトマネージャー)は、自分たちの「プロダクトの魂」は何か、どこまでこだわり、どこで妥協すべきか、深く考えさせられるでしょう。バーンアウトの危機を乗り越え、チームが再生していくプロセスは必見です。
5. スタンドUPスタート
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あらすじ: 「資産は人」という理念を持つ異色の投資家・三星太陽。彼は、過去の失敗、キャリアのブランク、あるいは人間関係の悩みから再起できずにいる人々(元エリート銀行員、専業主婦、前科持ちなど)の隠れた可能性を見抜き、「起業」を通じて彼らを再生(スタンドアップ)させていきます。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「多様なビジネスモデルの着眼点」と「人材の可能性」を学べます。スタートアップが陥りがちな「優秀な経歴の人材」ばかりを求める採用ではなく、一見ビジネスとは無縁に見える人の経験や深い課題感(ペイン)から、いかにしてユニークな事業シーズを見つけ出すか。 社会課題の解決を事業の核に据えるアプローチも多く、単なる金儲けではない「起業の意義」を再確認させてくれます。チームビルディングや採用戦略に悩む経営者にとって、人材の「見方」を変えてくれる一冊です。
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まさに「スタンドUP」する創業期、最初の壁となるのが資金調達です。この漫画のように多様な事業を立ち上げるためにも、まずはどのような調達方法があるのか、全体像を知っておくことが重要です。
逆境と戦略を学ぶ【映画編 5選】
次に、創業期のカオス、戦略の本質、そしてゼロからの再起を、実話ベースの作品を中心に厳選しました。

1. ソーシャル・ネットワーク (2010年)
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あらすじ: ハーバード大学在学中、マーク・ザッカーバーグが学内サービスとして「Facebook」を立ち上げるまでを描いた実話ベースの物語。アイデアの着想、爆発的な成長の裏で起こる親友との決別、投資家との出会い、そしてアイデアの所有権を巡る熾烈な訴訟合戦が描かれます。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「創業期のリアル、スピード、そして痛み」の全てが詰まっています。Facebookが掲げた「Done is better than perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ)」というカルチャーが、いかに事業を急成長させたか。 その一方で、初期メンバー間の役割と報酬(ストックオプション)を巡る対立、投資家(ショーン・パーカー)が入ることで変わる力学と友情の崩壊。特に、共同創業者との関係性や株式(資本政策)の重要性を、これでもかと痛感させられる作品です。創業期の熱狂と混沌を疑似体験できます。
映画では、株式の希薄化(エクイティ)を巡る対立が生々しく描かれます。創業者が経営権を失わないためにも、「エクイティファイナンス」の仕組みとリスクは、起業前に必ず理解しておくべきです。
2. マネーボール (2011年)
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あらすじ: 米メジャーリーグの貧乏球団「オークランド・アスレチックス」のゼネラルマネージャー(GM)ビリー・ビーンが、スカウトマンの経験や勘といった旧来の常識を覆し、「データ(統計学)」を駆使してリソースの無いチームを強豪へと変えていく実話。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「リソース不足の弱者が、いかにして強者に勝つか」という、スタートアップ戦略のバイブルです。潤沢な資金を持つ競合(ヤンキースなど)と同じ土俵で戦うのではなく、独自の指標(KPI=出塁率)を見つけ出し、非効率な既存市場(選手の評価方法)を破壊(ディスラプト)する。 データドリブン経営の本質と、信念を貫くことの孤独、既存勢力(ベテランスカウト)からの強烈な抵抗にどう打ち勝つか。自社の「勝利の方程式」は何か、どの指標(KPI)に賭けるべきかを深く考えさせられます。
ビリー・ビーンが「出塁率」という指標に賭けたように、スタートアップは「PMF(プロダクトマーケットフィット)」を達成しているかを測る正しい指標を見つける必要があります。
▶ 関連記事: PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?PSFとの違いと重要な理由も解説! | StartupList
3. スティーブ・ジョブズ (2015年)
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あらすじ: Apple創業者スティーブ・ジョブズの半生を、彼が手掛けた「Macintosh (1984)」「NeXT (1988)」「iMac (1998)」という、3つの伝説的な製品発表会の「直前の舞台裏」のみで描いた異色の伝記映画。彼の完璧主義、部下への容赦ない要求、そして未来を見据えるビジョンが、濃密な会話劇で展開されます。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「ビジョンへの執着と、プロダクトの“見せ方”」を学ぶ上で欠かせません。ジョブズがいかに常軌を逸したレベルで細部にこだわり、自分のビジョン(あるべき未来)をエンジニアに妥協なく実現させたか。 そして、そのプロダクトを「ただの箱」ではなく「世界を変える物語」として世に送り出すマーケティングとプレゼンの天才性が圧巻です。自社プロダクトの「存在意義」や「Why」をチームや顧客にどう伝えるべきか、そのヒントが満載です。
ジョブズが投資家を熱狂させたように、あなたも事業フェーズに合わせた「物語(ビジョン)」を語る必要があります。事業がどの段階(ラウンド)にあるのかを理解することは、投資家との対話の第一歩です。
4. フォードvsフェラーリ (2019年)
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あらすじ: 1960年代、モータースポーツ界の絶対王者フェラーリを倒すため、アメリカの巨大自動車メーカー・フォードが立ち上がります。型破りなカーデザイナーと破天荒なレーサーが、官僚的な社内政治や予算の壁と戦いながら、不可能と言われたル・マン24時間レースでの勝利に挑む実話です。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「大企業(競合)の“隙”を突き、現場のチームワークで勝つ」物語です。潤沢な資金(フォード)があっても、現場を信じない官僚的な組織(フォードの経営陣)ではイノベーションは起きません。 最終的に勝利の鍵を握るのは、ビジョンに共感し、現場で圧倒的な情熱と専門性を持つチーム(シェルビーとマイルズ)です。大企業病に陥った組織と、スタートアップの武器である「現場力」の対比が鮮やか。巨大な競合に挑む勇気をもらえます。
5. シェフ 三ツ星フードトラック始めました (2014年)
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あらすじ: ロサンゼルスの一流レストランで総料理長を務めるも、オーナーや評論家とのSNSバトルをきっかけに全てを失ったカール。彼は失意の中、フードトラック(移動販売)でゼロから再起を図ります。息子や元同僚と共に、本当に自分が作りたかった料理(キューバサンド)を届ける旅に出ます。
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スタートアップへの推薦ポイント: 「ゼロからの再起、MVP、SNSマーケティング」の要素が詰まっています。大企業の論理(高級レストラン)を捨て、自分が本当に価値を信じるプロダクト(キューバサンド)で勝負する。 フードトラックという最小単位(MVP: )で事業を始め、Twitter(現X)を活用したゲリラ的なマーケティングでファンを掴んでいくプロセスは、現代のBtoCスタートアップそのものです。ピボット(方向転換)の成功例であり、何よりも「楽しく働くこと」「プロダクトで人を幸せにする」というビジネスの原点を思い出させてくれます。
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このフードトラックは、まさに「MVP(Minimum Viable Product)」の好例です。最小限のコストで素早く市場の反応を見る。この手法は、現代のスタートアップが失敗のリスクを減らすために必須のプロセスです。
物語を読む側から、「創る」側へ
今回紹介した10作品は、私たちStartupList編集部が、自らの経験とスタートアップ業界の専門性に基づき、信頼できる作品として厳選しました!
映画や漫画で情熱をチャージしたら、次はいよいよあなたの「行動」です。
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