デライト・ベンチャーズは、DeNAの出資により2019年に設立されたベンチャーキャピタル。「起業家がつくった起業家のための独立系VC」を掲げ、純投資を行う「ベンチャー投資事業」と、起業家とともにゼロから事業を立ち上げる「ベンチャー・ビルダー事業」の2事業を運営する。シード〜シリーズAでリード投資を基本とし、投資契約から創業者個人への金銭リスクを撤廃する方針を公開している。マネージングパートナーはDeNA創業者の南場智子氏ほか4名。このページでは、デライト・ベンチャーズの投資条件・ファンド構成・支援体制と、起業家からのアプローチ方法を掲載する。
基本情報
| 正式名称 | 株式会社デライト・ベンチャーズ (Delight Ventures, Inc.) |
|---|---|
| 種別 | 独立系VC (同社の標榜。 資本関係上はDeNAグループ) |
| 設立 | 2019年9月 (1号ファンドの組成発表は同年7月) |
| 代表者 | Managing Partner 南場 智子、渡辺 大、坂東 龍、 川崎 修平の4名 |
| 所在地 | 東京都渋谷区桜丘町1-4 渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー7階 |
| DeNAとの関係 | 1号ファンドはDeNAを唯一のLPとして 組成され、GPは株式会社Delight Venture Investment (DeNA100%子会社)と渡辺大氏が 運営する「デライト・ベンチャーズ 有限責任事業組合」 一方で投資の意思決定プロセスと ストラクチャーはDeNAから独立するよう 設計され、戦略投資は行わず DeNAと競合する事業にも投資する方針を 公表している DeNA事業部門との間には ファイヤウォールを設置 2023年組成の2号ファンドでは外部の 機関投資家・事業会社が多数参画した |
| 公式サイト | URL:https://www.delight-ventures.com/ |
投資条件サマリ
| 投資ステージ | シード / アーリー / シリーズA (ベンチャー・ビルダー事業は 創業期〜シード) |
|---|---|
| 1社あたり投資金額 |
1,000万円〜5,000万円 (ビルダー3号ファンドの初回投資。 案件により最大1億円) |
| 投資領域 | AI / オールジャンル (ビルダー3号ではAIを基軸に 「産業構造の変革(Vertical Shift)」 「PEST起因の社会変容の捕捉 (Momentum Shift)」 「日本から世界を目指す起業家の 米国越境起業(US Cross-border)」 の3領域) |
| リード投資 |
する (リード投資を基本とすると 公式サイトで公表している) |
| 意思決定期間 | 非公表 (公表されていない) |
| 投資スタイル |
ハンズオン (ベンチャー・ビルダー事業では 起業家とともにゼロから事業を立ち上げ、 プロダクト開発から事業化までを 実装レベルで支援する) |
| 累計投資社数 |
1号ファンド45社・ビルダー30社超 (1号は2025年11月の報道ベース、 ビルダー1号・2号を通じた国内外30社超は 2025年11月時点の同社公表) |
| 投資形態 | 起業家のニーズに応じて 共同創業投資または純投資 |
| 投資判断の 着眼点 |
創業期〜シードではトラクションが 未発現のため、事業プランと、 起業家の当該領域における顧客課題・ ニーズへの熱量と専門性、 解決する能力を材料に判断すると公表 |
投資契約の方針
グローバル基準をベースにした投資契約方針を公開している。
| 方針 | 内容 |
|---|---|
| 早期上場の ペナルティ条項を 入れない |
上場しないことで会社や創業者が ペナルティを受ける条項を 投資契約に含めない 株式上場は資金調達の手段の1つであり、 取るかどうかは総合的な経営戦略に 基づいて判断するのが望ましいという 考えによる |
| 創業者個人への 金銭リスクを 撤廃 |
表明保証違反などで会社に株式の 買戻し義務が発生した場合も、 ペナルティが起業家個人に及ばず スタートアップで遡及が止まる仕組み 創業者の個人保証は1号ファンドから 撤廃している |
支援体制
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| ベンチャー・ ビルダー事業 |
起業家(EIR)とともに新規事業を創出し、 ゼロイチのプロダクト開発から事業化までを 実装レベルで支援する スピンアウト時の株式は創業者と デライト・ベンチャーズが 一定割合を保有する |
| EIR (客員起業家)制度 |
デライト・ベンチャーズに所属し、 契約社員または業務委託として報酬を 得ながら起業準備ができる制度 デライト・ベンチャーズおよびDeNAの 資産・人材の支援を受けられる |
| DelightX | 米国サンフランシスコ・ベイエリア滞在型の AI起業支援プログラム 2ヶ月の事業計画立案・検証を経て、 選抜者に6万ドルを支給し、 5ヶ月の起業準備・資金調達活動を支援する 2025年4月に発表され、第1期は同年6月に開始 2025年12月時点で14名が渡米し、 6名が次のステップへ進んだ |
| DeNA ver.2.0 AI For & With Startups |
ビルダー3号ファンド設立に伴い本格始動した DeNAによる投資先支援プログラム プロダクト採用(初期顧客としての導入)、 社内AI専門人材による技術支援、 ナレッジ共有を提供する |
運用ファンド一覧
| ファンド | 時期・規模 | 特記 |
|---|---|---|
| デライト・ ベンチャーズ 1号投資事業 有限責任組合 |
2019年7月組成 100億円 |
LPはDeNA単独 GPは株式会社Delight Venture Investment (DeNA100%子会社)と 渡辺大氏が運営する デライト・ベンチャーズ 有限責任事業組合 |
| デライト・ ベンチャーズ 2号投資事業 有限責任組合 |
2023年7月 ファーストクローズ 150億円 |
DeNAをアンカー インベスター、 三菱UFJ銀行を大口 インベスターとし、 第一生命、日本生命、 みずほ銀行、 三井住友銀行、横浜銀行、 三井不動産などが参画 1,000億円規模以上の 社会課題解決を目指す シード・アーリー期の スタートアップを支援 |
| デライト・ ベンチャーズ・ ビルダー2号 投資事業 有限責任組合 |
2023年7月設立 15億円 |
スタートアップスタジオに 特化 |
| デライト・ ベンチャーズ・ ビルダー3号 ファンド |
2025年11月18日発表 50億円 運用期間は 2025年11月〜 2035年9月 |
LPはDeNA単独 ビルダー2号の3.3倍の規模 |
キャピタリスト・チーム
| 氏名 | 役職 | 経歴・特記 |
|---|---|---|
| 南場 智子 | Managing Partner |
1986年マッキンゼー入社 1990年ハーバードMBA 1996年同社パートナー 1999年DeNA設立 現DeNA代表取締役会長 |
| 渡辺 大 | Managing Partner |
1999年京都大学文学部卒 大手銀行を経て 2000年DeNA入社 海外事業責任者、 DeNA北京総経理、 DeNA Global Presidentなどを 歴任し、2019年にDeNA グループを退社して デライト・ベンチャーズを 立ち上げ |
| 坂東 龍 | Managing Partner デライト・ ビルダー 代表取締役 |
2019年10月に参画し、 ベンチャー・ビルダー事業の 責任者を務める |
| 川崎 修平 | Managing Partner |
エンジニア出身で Mobageの開発を主導 エンジニア向け起業支援 プログラム 「VチャレTech」を監修 |
主な投資先
| 企業名 | 事業 | 調達状況・特記 |
|---|---|---|
| CraftBank | 建設工事の 受発注 プラットフォーム |
2021年6月に3.5億円を 調達したラウンドに参加 |
| Tensor Energy | 再生可能エネルギー 向けソフトウェア |
シリーズAで9.5億円を調達 |
| Andes | — | シードラウンドで 累計2.4億円を調達 |
| Asterminds | AIヒアリング エージェント |
シードラウンドで 1.1億円を調達 |
| immedio | 商談化支援SaaS | ベンチャー・ビルダー事業 から創出 |
1号ファンド(100億円)では累計45社に出資し(2025年11月・報道ベース)、ビルダーファンド1号・2号を通じては国内外30社以上に投資している(2025年11月時点・同社公表)。
主な出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025-12 | DelightXから14名が渡米し、 6名が次のステップへ進出 |
| 2025-11 | ビルダー3号ファンドを50億円規模で組成 DeNAの投資先支援プログラム 「DeNA ver.2.0 AI For & With Startups」が 本格始動 |
| 2025-04 | 米国ベイエリアのAI起業支援プログラム 「DelightX」を発表し、第1回募集を開始 (第1期プログラムは同年6月開始) |
| 2023-07 | 2号ファンドを150億円規模で ファーストクローズ(外部LPが多数参画) 同月、スタートアップスタジオ特化の ビルダー2号ファンド(15億円規模)を設立 |
| 2019-09 | 設立(1号ファンドの組成発表は同年7月) |
デライト・ベンチャーズの特徴
- デライト・ベンチャーズのポイント
- 「起業家がつくった起業家のための独立系VC」を掲げ、純投資とベンチャー・ビルダー(スタートアップスタジオ)の2事業を運営する
- シード〜シリーズAでリード投資を基本とすると公表している
- 投資契約に早期上場のペナルティ条項を入れず、創業者の個人保証を1号ファンドから撤廃している
- 表明保証違反などのペナルティが起業家個人に及ばず、スタートアップで遡及が止まる仕組みをとる
- DeNA発のVCだが、投資の意思決定はDeNAから独立し、戦略投資を行わずDeNAと競合する事業にも投資する方針を公表している
- 2号ファンドでは三菱UFJ銀行、第一生命、日本生命などの外部LPが多数参画した
- EIR(客員起業家)制度により、報酬を得ながら起業準備ができる環境を提供する
- 米国ベイエリア滞在型のAI起業支援プログラム「DelightX」を運営し、選抜者に6万ドルを支給する
よくある質問
Q1. デライト・ベンチャーズはどんなベンチャーキャピタルですか?
A. DeNAの出資により2019年に設立されたベンチャーキャピタルで、「起業家がつくった起業家のための独立系VC」を掲げる。純投資を行うベンチャー投資事業と、起業家とともに事業を立ち上げるベンチャー・ビルダー事業の2事業を運営する。
Q2. デライト・ベンチャーズの投資金額はいくらですか?
A. ビルダー3号ファンドでは初回投資が1,000万円〜5,000万円で、案件により最大1億円。
Q3. デライト・ベンチャーズはどのステージ・どんな企業が対象ですか?
A. シードからシリーズAが中心で、ベンチャー・ビルダー事業では創業期から関与する。ビルダー3号ファンドではAIを基軸とした3領域(産業構造の変革、社会変容の捕捉、米国越境起業)を重点とする。
Q4. デライト・ベンチャーズの投資先にはどんな会社がありますか?
A. CraftBank、Tensor Energy、Andes、Asterminds、immedioなど。1号ファンドでは累計45社に出資し、ビルダーファンドを通じて国内外30社以上に投資している(2025年11月時点)。
Q5. デライト・ベンチャーズにアプローチするにはどうすればいいですか?
A. 公式サイトの問い合わせフォーム、EIR(客員起業家)制度への応募、AI起業支援プログラム「DelightX」への応募が主な接点になる。なお、デライト・ベンチャーズはStartupListには登録していない。StartupListでは、同じシード〜シリーズA・AI領域に投資する投資家を検索し、そのままオファーを送ることができる。
Q6. デライト・ベンチャーズはリード投資をしますか?
A. する。シード〜シリーズAでリード投資を基本とすると公式サイトで公表している。
Q7. デライト・ベンチャーズの意思決定までの期間はどのくらいですか?
A. 公表されていない。個別の打診時に確認することになる。
Q8. デライト・ベンチャーズの投資契約はどんな内容ですか?
A. グローバル基準をベースにした方針を公開している。上場しないことで会社や創業者がペナルティを受ける条項は含めず、表明保証違反などのペナルティも起業家個人に及ばずスタートアップで遡及が止まる仕組み。創業者の個人保証は1号ファンドから撤廃している。
シード・アーリー期に投資する3,000名以上の投資家に、StartupListから直接アプローチ
StartupListには1万社以上のスタートアップと3,000名以上の投資家が登録。投資ステージ・領域・過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、無料でオファーを送信できる。
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情報源: デライト・ベンチャーズ公式サイト・公式発表・DeNA公式発表・報道



