UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)は、サイエンス・テクノロジー領域のシード・アーリー期にリード投資する大学系ベンチャーキャピタル。2004年4月の創業以来、6本のファンドで累計約1,300億円を運用し、累計投資社数は約160社。EXITはIPO20社・M&A等22件(2025年7月時点)。法人設立前の段階から投資し、リード投資家として取締役・監査役を派遣する。このページでは、UTECの投資条件・ファンド構成・チーム・投資先と、起業家からのアプローチ方法を掲載する。
基本情報
| 正式名称 | 株式会社東京大学エッジキャピタル パートナーズ (The University of Tokyo Edge Capital Partners Co., Ltd.) 略称: UTEC |
|---|---|
| 種別 | 大学系VC |
| 設立 | 2004年4月に創業 (2018年4月に現法人を設立し、 2020年6月に一本化) |
| 代表者 | 代表取締役社長CEO マネージングパートナー 郷治 友孝 代表取締役COO マネージングパートナー 坂本 教晃 |
| 所在地 | 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟 (アントレプレナーラボ)3F |
| 東京大学との 関係 |
東京大学が承認する技術移転関連事業者 大学の「知」の社会還元に向け、 優れた知的財産・人材を活用する ベンチャー企業に投資する |
| 沿革 | 2004年4月、「株式会社東京大学 エッジキャピタル」として創業 2018年4月に「株式会社東京大学 エッジキャピタルパートナーズ」を設立して 東京大学と覚書を締結し、 2020年6月に旧法人が解散して現法人へ一本化 2024年5月30日に創立20周年記念式典を開催 |
| ビジョン | Science/Technologyを軸に、 資本・人材・英知を還流させ、 世界・人類の課題を解決するための フロンティアを開拓する |
| 公式サイト | URL:https://www.ut-ec.co.jp/ |
UTECは東京大学本体の子会社ではなく、独立して運営されるベンチャーキャピタル。東京大学の100%子会社である東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)は別法人で、東大IPCが運営するファンドはUTEC4号ファンドへのLP出資者でもある。
投資条件サマリ
| 投資ステージ | プレシード / シード / アーリー (法人設立前を含む。ミドル・レイターまで フォローオンで継続支援する) |
|---|---|
| 1社あたり投資金額 |
10億円〜30億円規模 (6号ファンドでの1社あたり累計) |
| 投資領域 | ディープテック / ヘルスケア / IT・SaaS (6号ファンドは ①ライフサイエンス&ヘルスケア ②IT ③フィジカルサイエンス& エンジニアリングの3領域) |
| リード投資 |
する (シード・アーリー段階のスタートアップに リード投資または共同リード投資を行うことを 投資方針として公表している) |
| 意思決定期間 | 非公表 (公表されていない) |
| 投資スタイル |
ハンズオン (リード投資家として 取締役・監査役を派遣する) |
| 累計投資社数 |
約160社 (2025年7月時点) EXITはIPO20社・M&A等22件 |
| 投資判断基準 | 優れたScience/Technologyであるか 強力なチームであるか グローバルな市場や課題を 見据えているか |
| 大学との関わり | 国内外の大学・研究機関の研究者・起業家と 共にベンチャーを創出することに注力する 東京大学以外の大学発でも 投資戦略に合致すれば投資する |
| 海外投資 | あり 米国、インド、東南アジア、欧州、 アフリカで展開する30社超の グローバルスタートアップに投資 Blume Ventures(インド)、 Amadeus Capital Partners(欧州)等と提携 |
| 累計運用額 | 約1,300億円 (6本のファンド累計・2025年7月時点) |
支援プログラム
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| UTEC Founders Program(UFP) |
2021年5月に開始した 自由応募型の事業化支援プログラム 「Equityトラック」ではシード期 スタートアップへ最大1億円を投資 「Grantトラック」では期ごとの審査で 最大1,000万円(原則500万円以下)の 返済不要の事業化支援金と 最長1年の支援を提供する |
| Startup Opportunity Club (SOC) |
経営人材プール 研究者・起業家と共同創業者/ CxO候補をマッチングする |
| Science2Startup (S2S)Japan |
LINK-J、CIC、delight ventures、 AN Ventures等と共に運営・協力する プログラム 2024年春に公募を開始し、 同年11月8日に日本橋ライフサイエンスハブで Final Symposiumを開催した |
運用ファンド一覧
| ファンド | 時期・規模 | 主なLP |
|---|---|---|
| ユーテック一号 投資事業 有限責任組合 |
2004年7月1日設立 約83億円 |
— |
| UTEC2号 投資事業 有限責任組合 |
2009年7月31日設立 約71.5億円 |
— |
| UTEC3号 投資事業 有限責任組合 |
2013年10月15日設立 設立時130億円強 (最終約145.7億円) |
産業革新機構 (INCJ・上限100億円) |
| UTEC4号 投資事業 有限責任組合 |
2018年1月17日設立 同年4月30日までに拡充 設立時約155億6,000万円 →拡充後 約242億5,000万円 |
東大IPCが運営する 協創プラットフォーム開発 1号ファンド (上限20億円) |
| UTEC5号 投資事業 有限責任組合 |
2021年5月7日設立 304億円 |
三菱地所、 中小企業基盤整備機構 |
| UTEC6号 投資事業 有限責任組合 |
2025年4月30日設立 (同年7月発表) 470億円超 (500億円規模を見込む) |
国内外の年金基金・ 保険会社・ソブリン ウェルスファンド等の 機関投資家、金融機関 海外投資家比率は 15〜20%程度に 達する見通し |
UTEC6号は「日本最大級のサイエンス/テクノロジーVCファンド」として組成された。
キャピタリスト・チーム
| 氏名 | 役職 | 経歴・特記 |
|---|---|---|
| 郷治 友孝 | 代表取締役社長CEO マネージング パートナー |
1996年東京大学法学部卒業、 同年通商産業省 (現・経済産業省)入省 在省中に投資事業有限責任組合法 (1998年施行)を起草し、 ファンドの会計制度・税制・ 運用成績報告制度を企画 新事業創出促進法の一部として 中小企業技術革新制度 (日本版SBIR)も起草した 2004年4月に退官しUTECを共同創業 2006年2月に代表取締役社長・ マネージングパートナー就任 2003年スタンフォード大学MBA、 2020年東京大学博士(工学) 2023年7月に日本ベンチャー キャピタル協会(JVCA)会長へ 就任(田島聡一氏との2名体制) |
| 坂本 教晃 | 代表取締役COO マネージング パートナー |
東京大学経済学部卒業後、 経済産業省へ 2008年に退職し流通事業会社副社長、 コロンビア大学MBA、 マッキンゼー・アンド・カンパニーを 経て2014年8月にUTEC参画 IT・フィジカルサイエンス分野を 中心に投資 |
| 宇佐美 篤 | 取締役 パートナー | 東京大学大学院薬学系研究科 生命薬学専攻博士、薬剤師 三菱総合研究所を経て 2013年10月にUTEC参画 ライフサイエンス領域の シード・アーリー投資を担当 |
| 小林 宏彰 | パートナー | ヘルスケア、IT、 ライフサイエンス等の投資を担当 |
| 﨑田 博之 | 管理部長 パートナー |
ファンド運営、投資家対応、 社内管理業務を担当 |
主な投資先
| 企業名 | 事業 | 調達状況・特記 |
|---|---|---|
| ペプチドリーム | 特殊ペプチド創薬 東京大学先端研の 菅裕明教授の技術が コア |
UTECは2008年7月に投資 2013年6月に 東証マザーズへ上場 |
| ティアフォー | 自動運転OSS 「Autoware」 |
2026年7月22日に 東証グロースへ上場 (証券コード593A、 公開価格1,085円) 国内売出の売出人に UTEC4号が含まれる |
| オリシロ ジェノミクス |
無細胞プラスミド DNA増幅技術 立教大学の 末次正幸教授の技術 |
2023年1月4日、Modernaが 約8,500万ドルで買収する 契約を発表 UTECは経営チーム組成を含む 起業プロセスを主導し、 出資に加えて事業会社との 提携交渉・知財構築・ 人材採用を支援した |
| Repertoire Genesis |
免疫レパトア解析 | 2014年にUTECと共同で創業し、 UTECは創業時から リード投資家 EurofinsグループのEurofins Japanが過半数株式を取得 |
| Oxford Quantum Circuits(OQC) |
オックスフォード大学 発の超伝導 量子コンピュータ |
UTECが共同リード投資家 として出資 シリーズA初回クローズで 約3,800万ポンドを調達 (2022年7月) |
| モルフォ | 画像処理技術 東京大学大学院 情報理工学系研究科 出身の技術者らが創業 |
UTECがリード投資した 2社目のIPO 2011年に東証マザーズへ上場 |
そのほかの主な投資先: ユーグレナ、ACSL(自律制御システム研究所)、AI insideなど約160社。全ポートフォリオは公式サイトを参照。
主な出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2026-07 | 投資先のティアフォーが 東証グロースへ上場(7月22日) |
| 2026-03 | 書籍『サイエンス・テクノロジー領域の 起業戦略 ― 創業から資金調達、 グローバル展開、M&A/IPOを見据えて』を 日経BP 日本経済新聞出版より刊行 |
| 2025-12 | 東京大学・大分大学・弁理士法人正林国際 特許商標事務所・ストライクと 「M&Aに関する知財データ駆動型 アプローチの開拓」共同研究を開始 |
| 2025-04 | UTEC6号投資事業有限責任組合を設立 (4月30日、同年7月発表) 470億円超の規模で、郷治・坂本の 共同マネージングパートナー体制、 5名のパートナー体制へ移行 |
| 2024-11 | 「Science2Startup Japan Final Symposium 2024」を日本橋 ライフサイエンスハブで開催(11月8日) |
| 2024-05 | 創立20周年記念式典を東京大学 伊藤国際学術研究センターで開催(5月30日) |
| 2024 | 「Science2Startup(S2S)Japan」の 公募を開始 |
| 2021-05 | UTEC5号投資事業有限責任組合 (304億円)を設立(5月7日) 自由応募型事業化支援プログラム 「UTEC Founders Program」を開始 |
| 2004-04 | 「株式会社東京大学エッジキャピタル」 として創業 |
UTECの特徴
- UTECのポイント
- シード・アーリー段階でのリード投資または共同リード投資を基本的な投資方針として公表し、リード投資家として取締役・監査役を派遣する
- 法人設立前の段階から投資し、ミドル・レイターまでフォローオンで継続支援する
- 6本のファンドで累計約1,300億円を運用し、累計投資社数は約160社(2025年7月時点)
- EXITはIPO20社・M&A等22件。オリシロジェノミクスはModernaが約8,500万ドルで買収した
- 6号ファンド(470億円超)は「日本最大級のサイエンス/テクノロジーVCファンド」として組成された
- 1社あたり累計10億円〜30億円規模を投資する(6号ファンド)
- 東京大学本体の子会社ではなく独立運営で、東京大学以外の大学発でも投資戦略に合致すれば投資する
- 米国・インド・東南アジア・欧州・アフリカの30社超のグローバルスタートアップに投資している
- 自由応募型の「UTEC Founders Program」でシード期に最大1億円の投資、または最大1,000万円の返済不要の事業化支援金を提供する
よくある質問
Q1. UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)はどんなベンチャーキャピタルですか?
A. サイエンス・テクノロジー領域のシード・アーリー期にリード投資する大学系ベンチャーキャピタル。2004年4月の創業以来6本のファンドで累計約1,300億円を運用し、累計投資社数は約160社、EXITはIPO20社・M&A等22件(2025年7月時点)。
Q2. UTECの投資金額はいくらですか?
A. 6号ファンドでは1社あたり累計10億円〜30億円規模を投資する。自由応募型の「UTEC Founders Program」では、Equityトラックでシード期に最大1億円、Grantトラックで最大1,000万円(原則500万円以下)の返済不要の事業化支援金を提供する。
Q3. UTECはどのステージ・どんな企業が対象ですか?
A. 法人設立前を含むシード・アーリー期が対象で、ミドル・レイターまでフォローオンで継続支援する。投資領域は①ライフサイエンス&ヘルスケア、②IT、③フィジカルサイエンス&エンジニアリングの3つ。東京大学以外の大学発でも投資戦略に合致すれば投資する。
Q4. UTECの投資先にはどんな会社がありますか?
A. ペプチドリーム(2013年上場)、ティアフォー(2026年7月上場)、モルフォ(2011年上場)、ユーグレナ、ACSL、AI insideなど約160社。オリシロジェノミクスはModernaが約8,500万ドルで買収した。
Q5. UTECにアプローチするにはどうすればいいですか?
A. 公式サイトの問い合わせフォーム、自由応募型の「UTEC Founders Program」への応募、経営人材プール「Startup Opportunity Club」への登録が主な接点になる。なお、UTECはStartupListには登録していない。StartupListでは、同じディープテック・シード領域に投資する投資家を検索し、そのままオファーを送ることができる。
Q6. UTECはリード投資をしますか?
A. する。シード・アーリー段階のスタートアップにリード投資または共同リード投資を行うことを投資方針として公表しており、リード投資家として取締役・監査役を派遣する。
Q7. UTECの意思決定までの期間はどのくらいですか?
A. 公表されていない。個別の打診時に確認することになる。
Q8. UTECは何を見て投資を判断しますか?
A. 優れたScience/Technologyであるか、強力なチームであるか、グローバルな市場や課題を見据えているかの3点を投資判断基準として公表している。
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情報源: UTEC公式サイト・公式発表・報道



