アーキタイプベンチャーズ(Archetype Ventures)は、B2B領域のシード〜アーリー期に特化した独立系ベンチャーキャピタル。2013年12月に設立され、2024年10月に3号ファンドを約155億円でクローズし、運用総額(AUM)は約240億円となった。累計投資社数は約60社。投資ステージを「Seed Plus」と表現し、プロダクトはあるが売上の勢いはこれから、という段階を主な対象とする。このページでは、アーキタイプベンチャーズの投資条件・ファンド・投資先と、起業家からのアプローチ方法を掲載する。
基本情報
| 正式名称 | アーキタイプベンチャーズ株式会社 (Archetype Ventures Inc.) Archetype Ventures合同会社 |
|---|---|
| 種別 | 独立系VC |
| 設立 | 2013年12月 |
| 代表者 | 中嶋 淳 (Founding Partner・代表取締役) 福井 俊平 (Founding Partner・Managing Partner) 2名体制 |
| 所在地 | 東京都港区麻布十番2-8-10 4F |
| タグライン | Entrepreneurs First |
| ミッション | 投資家の中で最も起業家に近い存在で あり続ける(創業以来のミッション) |
| 法人番号 | 6010401109367 (アーキタイプベンチャーズ株式会社) 2010403028602 (Archetype Ventures合同会社) |
| 公式サイト | URL:https://archetype.vc/ |
投資条件サマリ
| 投資ステージ | シード / アーリー (自社では「Seed Plus」と表現。 プロダクトはあるが売上の勢いは これから、という段階が主な対象) |
|---|---|
| 1社あたり投資金額 |
初回 数千万円〜数億円 (3号ファンド) フォローオンを含め1社あたり 総額5〜10億円を想定 |
| 投資領域 | IT・SaaS / AI / ディープテック / ヘルスケア / フィンテック (B2B領域に特化。SaaS、Fintech、 DeepTech、AI・ML、Healthcare、 Sustainability、Marketing Tech。 3号ファンドではエンタープライズ向け AI・SaaSを中心としたB2B全般に加え、 ヘルスケア・サステナビリティ・ 研究開発を伴うディープテックを対象) |
| リード投資 |
する (CULTAはUntroD Capital Japanと共同、 EX4Energyは東京大学協創 プラットフォーム開発と共同でリード。 ZAICOのシリーズA3億円は単独引受) |
| 意思決定期間 | 非公表 (公式サイト・公式発表とも 検討期間の表明はない) |
| 投資スタイル |
ハンズオン (隔週の定例ミーティングを軸に、 営業支援から事業戦略・組織づくり・ 採用・ファイナンスまで 幅広く伴走すると公表) |
| 累計投資社数 |
約60社 (2024年10月時点で累計62社) |
| 運用総額(AUM) | 約240億円 (2024年10月時点) |
| バリュエーション レンジ |
非公表 (公表されていない) |
支援体制
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 隔週の 定例ミーティング |
課題整理と解決に向けた戦略立案を 高頻度のコミュニケーションで支援する |
| 事業・営業支援 | 営業先の紹介と同行 |
| ファイナンス支援 | 資金調達時の投資家・金融機関の紹介 |
| 採用・組織支援 | 採用要件の整理、JDの作成、 候補者の紹介、組織サーベイ |
| 知見の共有 | Slackでの知見・事例共有、 イベントによる投資先間の ネットワーキング |
支援体制は「支援先軸(担当)」と「機能軸(ファイナンス/営業/人事ほか)」で役割分担しており、担当キャピタリストが必要に応じて他のキャピタリストを巻き込む形をとる。投資メンバーの多くが起業家・スタートアップ出身であることを特徴として掲げている。
運用ファンド一覧
| ファンド | 組成時期・規模 | 主なLP・特記 |
|---|---|---|
| アーキタイプ ベンチャーファンド 投資事業 有限責任組合 (1号) |
2014年1月設立 総額約10.7億円 |
2016年5月27日に中小企業基盤 整備機構が3億円を出資する 組合契約を締結し、 総額約10.7億円となった 無限責任組合員は アーキタイプベンチャーズ株式会社 投資対象は「主にITを中心とした、 B2BまたはB2B2C事業を行う 優れた技術力を持つベンチャー企業」 Cisco Investmentsが 「Archetype Ventures Fund」を ポートフォリオに掲載している |
| アーキタイプ ベンチャーファンド 2号投資事業 有限責任組合 |
2018年2月 約60億円 |
詳細なLP構成は非公表 |
| Archetype Ventures 3号投資事業 有限責任組合 (ATV3) |
2024年10月31日に クローズを発表 約155億円 |
発表時点で16社へ投資実行済み 1号・2号から支えてきた事業会社・ 金融機関に加え、年金基金などの 機関投資家が新規参画 判明しているLPは産業革新投資機構 (JIC、2023年2月24日発表・30億円)、 水ing株式会社 (2023年12月20日発表)、 アルフレッサ ホールディングス (2024年10月2日適時開示) 運用期間は10年(最長2年延長可) |
アーキタイプベンチャーズは自社紹介で「4つのファンドを通じて約240億円を運用」としているが、1〜3号の合計(約10.7億円+約60億円+約155億円)とは差がある。4本目のファンドの名称・規模は公表されていない。
キャピタリスト・チーム
| 氏名 | 役職 | 経歴 |
|---|---|---|
| 中嶋 淳 | Founding Partner 代表取締役 |
1989年に電通入社 企業コミュニケーション立案業務を 経て、インターネットビジネスの スペシャリストとして100社以上の マーケティング・事業戦略立案に従事 2000年に創業直後のインスパイアへ合流 2006年5月にアーキタイプ株式会社 (現アーキタイプグループ株式会社)を 設立し代表取締役に就任 2013年12月にArchetype Venturesを設立 |
| 福井 俊平 | Founding Partner Managing Partner |
2005年にNTTデータへ新卒入社し 大規模システムの企画営業に従事 在職3年目に週末起業、 2008年に本格起業 2010年にPepperdine University MBAプログラム (アントレプレナーシップ専攻)へ入学 在学中にロサンゼルスで 日本コンテンツの映画祭 「LA EigaFest」を立ち上げ、 サンフランシスコのVCで インターンを経験 2013年12月にArchetype Venturesを設立 |
| 向川 恭平 | Partner General Partner |
新卒で三菱商事に入社し 国内外の上下水道事業を含む インフラ事業に従事 日米クロスボーダーVCの DNX Venturesを経て参画 3号ファンドより新たにGPに就任 東京大学経済学部卒、 UC Berkeley Haas School of Business MBA |
| 北原 宏和 | Capitalist (DeepTech・Energy、 Sustainability領域) |
総務省(地域活性化)、 ボストン コンサルティング グループ (情報通信・金融・製造など 幅広い業種の中期経営計画策定、 新規事業開発)を経て参画 東京大学法学部卒、 カーネギーメロン大学 ハインツカレッジ、 南カリフォルニア大学 |
| 伊能 詩吹 | Principal | ホテル・美容業界、エン・ジャパン (営業として全社社長賞 〈新人賞〉受賞)を経て、 ヘルスケアスタートアップの MICINへ13人目のメンバーとして参画 医療機関向け営業、 インサイドセールス部門の立ち上げ、 採用・育成・組織づくり、 医師向けイベント企画運営を担当 2019年にArchetype Venturesへ参画 マーケ・セールステック、 オペレーション、リーガルテック、 ヘルスケア、VR等の領域で 十数社を担当 |
上記は公開情報で確認できた主要メンバー。GPは中嶋氏・福井氏・向川氏の3名体制で、バックオフィスを含めた組織全体は約11名(2024年10月時点)。最新のメンバー構成は公式サイトのチームページを参照。
主な投資先
| 投資先 | 事業 | 調達状況・特記 |
|---|---|---|
| ZAICO | クラウド在庫管理 「zaico」 |
2024年11月6日発表の シリーズA3億円を アーキタイプベンチャーズが 単独で引受 同社にとって創業8年目・ 初の外部調達 |
| CULTA | AIを活用した 品種開発 |
2026年3月2日発表の プレシリーズA7億円で、 アーキタイプベンチャーズと UntroD Capital Japanが共同リード ほかにニッセイ・キャピタル、 HAKOBUNE、DG Daiwa Ventures、 電通ベンチャーズ等が参加 |
| EX4Energy | 東大発・ 分散型エネルギー |
2024年8月20日発表の シリーズA3.5億円で、 東京大学協創プラットフォーム開発 (東大IPC)と アーキタイプベンチャーズがリード 三菱UFJキャピタル、 DBJキャピタルが参加 |
| Resilire | サプライチェーン リスク管理 |
2021年9月1日発表の 1.5億円ラウンドに参加 (DNX Ventures、DEEPCORE、 STRIVE、みずほキャピタル、 グロービス系ファンドと共に) 2024年のシリーズA約6.2億円 (リードはDNX Ventures)にも参加 |
| Sotas | 化学業界向け バーティカルSaaS |
シードラウンド総額1.1億円に参加 2026年2月18日発表の シリーズA1stクローズ10億円 (リードはグロービス・ キャピタル・パートナーズ)に フォローオン |
| DIGGLE | 予実管理SaaS | 2025年6月24日発表の シリーズB17.5億円 (リードはJICベンチャー・ グロース・インベストメンツ)の 引受先の1社 Salesforce Ventures、 DNX Ventures、あおぞら企業投資と 並ぶ |
| LOOV | AIプレゼン自動化 「TALKsmith」 |
2026年4月のシリーズAで、 既存株主のHAKOBUNEに加え、 アーキタイプベンチャーズと みずほキャピタルが 新規株主として参画 |
| ABEJA | AI・ ディープラーニング |
2016年7月25日発表の 総額5.3億円の第三者割当増資を、 産業革新機構と 「アーキタイプベンチャーファンド 投資事業有限責任組合」が引受 ABEJAは2023年6月13日に 東証グロース市場へ上場 |
| Alpaca (AlpacaDB) |
金融向けAI | 2015年10月の100万米ドル調達に参加 (NECキャピタルソリューション、 SMBCベンチャーキャピタル系 ファンド等と) |
そのほかの投資先を含む全ポートフォリオは公式サイトを参照。ABEJAの引受先である「産業革新機構(INCJ)」は当時の官民ファンドであり、3号ファンドのLPである産業革新投資機構(JIC)とは別組織。
主な出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024-10 | 3号ファンド「Archetype Ventures 3号 投資事業有限責任組合」を約155億円で クローズ(10月31日)。運用総額240億円に 向川恭平氏が新たにGPとして参画 |
| 2024-10 | アルフレッサ ホールディングスが ATV3への出資を適時開示(10月2日) |
| 2023-12 | 水ing株式会社がATV3への出資参画を発表 (12月20日) |
| 2023-06 | 投資先のABEJAが東証グロース市場へ上場 (6月13日) |
| 2023-02 | 産業革新投資機構(JIC)がATV3へ 30億円のLP出資を公表(2月24日) |
| 2018-02 | 2号ファンド(約60億円)を組成 |
| 2016-05 | 中小企業基盤整備機構が1号ファンドへ 3億円を出資し、総額約10.7億円に(5月27日) |
| 2014-01 | 1号ファンド「アーキタイプベンチャー ファンド投資事業有限責任組合」を設立 |
| 2013-12 | アーキタイプベンチャーズ設立 中嶋淳氏・福井俊平氏が共同創業 |
アーキタイプベンチャーズの特徴
- アーキタイプベンチャーズのポイント
- B2B領域に特化したシード〜アーリー期のVCで、3号ファンド約155億円を含む運用総額は約240億円(2024年10月時点)
- 投資ステージを「Seed Plus」と表現し、プロダクトはあるが売上の勢いはこれから、という段階を主な対象としている
- 投資金額は3号ファンドで1社あたり初回数千万円〜数億円、フォローオンを含め1社あたり総額5〜10億円を想定している
- リード投資を行い、CULTA(共同リード)、EX4Energy(共同リード)、ZAICO(単独引受)などの実績がある
- 隔週の定例ミーティングを軸に、営業先紹介・投資家紹介・採用支援・組織サーベイなどのハンズオン支援を提供する
- 支援体制を「支援先軸(担当)」と「機能軸(ファイナンス/営業/人事ほか)」に分け、担当が必要に応じて他のキャピタリストを巻き込む
- 投資メンバーの多くが起業家・スタートアップ出身であることを特徴として掲げている
- 3号ファンドには、1号・2号から継続する事業会社・金融機関に加え、年金基金などの機関投資家が新たにLPとして参画した
よくある質問
Q1. アーキタイプベンチャーズはどんなベンチャーキャピタルですか?
A. B2B領域に特化したシード〜アーリー期の独立系ベンチャーキャピタル。2013年12月に中嶋淳氏と福井俊平氏が共同創業した。2024年10月に3号ファンドを約155億円でクローズし、運用総額は約240億円。累計約60社に投資している。
Q2. アーキタイプベンチャーズの投資金額はいくらですか?
A. 3号ファンドでは1社あたり初回数千万円〜数億円、フォローオンを含めて1社あたり総額5〜10億円を想定している。
Q3. アーキタイプベンチャーズはどのステージ・どんな企業が対象ですか?
A. 投資ステージは「Seed Plus」=プロダクトはあるが売上の勢いはこれから、というシード〜アーリー期。領域はB2Bに特化し、SaaS、Fintech、DeepTech、AI・ML、Healthcare、Sustainability、Marketing Techを対象とする。3号ファンドではエンタープライズ向けAI・SaaSを中心としたB2B全般に加え、ヘルスケア・サステナビリティ・研究開発を伴うディープテックを掲げている。
Q4. アーキタイプベンチャーズの投資先にはどんな会社がありますか?
A. ZAICO(クラウド在庫管理)、CULTA(AI品種開発)、EX4Energy(分散型エネルギー)、Resilire(サプライチェーンリスク管理)、Sotas(化学業界向けSaaS)、DIGGLE(予実管理SaaS)、LOOV(AIプレゼン自動化)など。2016年に出資したABEJAは2023年6月に東証グロース市場へ上場している。
Q5. アーキタイプベンチャーズにアプローチするにはどうすればいいですか?
A. 公式サイト(archetype.vc)からの問い合わせが基本の接点となる。B2B領域のシード〜アーリー期に投資する投資家はStartupListにも多数登録しているので、条件の近い投資家を検索してオファーを送ることができる。
Q6. アーキタイプベンチャーズはリード投資をしますか?
A. する。CULTAのプレシリーズA(UntroD Capital Japanと共同リード)、EX4EnergyのシリーズA(東京大学協創プラットフォーム開発と共同リード)でリード投資家を務め、ZAICOのシリーズA3億円は単独で引き受けた。
Q7. アーキタイプベンチャーズの意思決定までの期間はどのくらいですか?
A. 公表されていない。公式サイト・公式発表とも検討期間の表明はないため、個別の打診時に確認することになる。
Q8. アーキタイプベンチャーズのバリュエーションの目安は?
A. 公表されていない。個別の打診時に確認することになる。
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情報源: アーキタイプベンチャーズ公式サイト・公式発表・報道・公的機関資料



