ダイリューションとは?
第三者割当増資や新株予約権の権利行使によって、発行済株式の数が増加することにより1株当たりの価値の希薄化を招きます。
ダイリューション(Dilution)とは、希薄化という意味を持ちます。
増資によって自己資本を増やすことができますが、結果的に1株あたりの価値が低下し、配当も下がってしまうのです。
既に株式を保有している株主にとって株式の魅力が低下し、株価低下の要因になります。
ダイリューションを防ぐためには、下記のような対策が必要になります。
- 融資等のデットファイナンスによる資金調達
- 増資による企業価値の向上を株主に説明する
- 議決権のない優先株の発行
増資とは?
ダイリューションを起こす原因となるのが増資です。
投資家から資金を集めるために株式を発行し、投資家に購入してもらいます。
株式の利益は
会社の利益÷発行済株式総数
で求めることが可能です。
増資によって株式数が増えると、その分だけ一株当たりの利益が減少してしまうのです。
これによってダイリューションが起きてしまいます。
関連記事:株式買取請求権とは?基本的な流れや行使できない場合を紹介
ダイリューションの問題
ダイリューションによる株価の下落によって、株主が株式を売却する可能性があります。
これによって株価が下落し、企業価値の下落に繋がります。
また、新たな資金調達が困難になる可能性も高まるのです。
持株のダイリューション(希薄化)とは?
持株のダイリューションとは、経営権が弱まることを意味します。
持株とは、会社の経営陣が自己で保有している株式です。
ベンチャー企業や中小企業の場合、創業者兼経営者が自社の株式を全保有していることも珍しくありません。
この場合、持株比率は100%となります。
しかし、ベンチャーキャピタルや個人投資家からの資金調達を実施すると、その分だけ持株のダイリューションが進行するのです。
例えば、全部の株式5,000万円を経営者が保有している時に外部から5,000万円の資金調達を行ったとします。
この時に資本金は1億円に増加しますが、持株比率は100%から50%に低下するのです。
例えば、51%以上の保有比率を獲得された場合、会社のほとんどの意思決定権を失ったことになります。
関連記事:コンバーチブルエクイティとは?コンバーチブルノートとの違いも
ダイリューションの計算方法
どれだけダイリューションが進行したかは、計算式で表すことが可能です。
ダイリューション(株式の希薄化)は、以下の計算式で計算できます。
ダイリューション=増資実施後の議決権数÷増資実施前の議決権数
増資によって議決権付株式が増加すれば、それだけ算出される値が大きくなります。
例えば、増資する前の株主議決権数が100、増資後の株主議決権数が200の場合、
200÷100=2
となり、ダイリューションの値は2(200%)です。
まとめ
ダイリューションとは、増資によって株式の価値が希薄化することです。
増資はベンチャー企業や中小企業にとって有力な資金調達方法ですが、ダイリューションが進行します。
資金調達の際には持株比率に配慮しましょう。
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