三菱UFJキャピタル(MUCAP)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の金融系ベンチャーキャピタル。1974年に前身のダイヤモンドキャピタルとして設立され、2024年に創立50周年を迎えた。無限責任組合員を務めるファンドの総額は1,700億円、2005年度以降の累計投資実績は約1,817件・約1,094億円。基幹ファンドとライフサイエンス特化ファンドを分けて運用し、創薬・再生医療・医療機器にも継続して投資する。このページでは、MUCAPの投資条件・ファンド構成・チーム・投資先と、起業家からのアプローチ方法を掲載する。
基本情報
| 正式名称 | 三菱UFJキャピタル株式会社 (Mitsubishi UFJ Capital Co., Ltd.) 略称: MUCAP |
|---|---|
| 種別 | 金融系VC (MUFG傘下) |
| 設立 | 1974年8月1日 (2024年に創立50周年) |
| 代表者 | 代表取締役社長 小島 拓朗 (2024年4月1日就任) |
| 所在地 | 東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル7F (大阪支社・名古屋支社あり) |
| 資本金 | 29億5,000万円 |
| 従業員数 | 92名(2025年1月時点) |
| 沿革 | 1974年8月、前身の「ダイヤモンド キャピタル株式会社」として設立 2005年に株式会社UFJキャピタルと合併し 「三菱UFJキャピタル株式会社」に商号変更 |
| 企業理念 | MUCAP is the best partner for growing companies |
| 公式サイト | URL:https://www.mucap.co.jp/ |
MUFGのコーポレートベンチャーキャピタルであるMUFG Innovation Partners(MUIP・2019年1月設立)とは別法人。
投資条件サマリ
| 投資ステージ | シード / アーリー / シリーズA / シリーズB以降 (シード・アーリーからミドル、 IPO直前のレイターまで対応する) |
|---|---|
| 1社あたり投資金額 |
1億円以下 または 3億円超 (10号ファンドで企業の規模に応じて 想定する額として公表) |
| 投資領域 | オールジャンル (モノづくり・生活関連からAI・IoT・ フィンテック・SaaS・ ライフサイエンスまで、 特定業種に偏らない。 10号は再生可能エネルギーや量子技術 などのディープテックが中心) |
| リード投資 |
案件による (案件によってはリード投資もすると StartupListの取材に回答。 マツリカの総額約10億円の調達では リード投資家を務めた) |
| 意思決定期間 | 非公表 (公表されていない) |
| 投資スタイル |
ハンズイフ (StartupListの取材に回答) キャピタリスト(投資第一本部・ 投資第二本部)、事業戦略パートナー、 戦略開発部が「ワンチーム」で バリューアップに取り組む |
| 累計投資社数 |
約1,817件 (2005年度以降の投資実績・ 件数ベース・約1,094億円・ 2025年3月末時点) 社数の公表値はない |
| 累計IPO社数 | 937社 (公式サイト「IPO実績」ページ掲載値・ 2026年8月時点) |
| バリュエーション | 非公表 (StartupListの取材でも非公開と回答) |
| 海外投資 | 案件によっては投資もする (StartupListの取材に回答) |
| 運用ファンド総額 | 1,700億円 (2025年5月時点。同社が無限責任組合員を 務めるファンドの合計) |
支援体制
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 3部門一体の 支援 |
キャピタリスト(投資第一本部・ 投資第二本部)、事業戦略パートナー、 戦略開発部が一体で支援する |
| ビジネス マッチング |
MUFGの約40万社の法人取引ネットワークを 活用して引き合わせを行う |
| 大学発ベンチャー への投資枠 |
主要大学と連携して積極的に投資する 事業化が長期にわたるライフサイエンス・ 新産業分野では、自社プロパー資金での 投資枠も用意している |
| JST STARTへの 採択 |
JST「大学発新産業創出プログラム (START)」の事業プロモーターユニット 代表実施機関に採択されている (2022年度) |
| AGCとの技術評価 連携 |
2025年3月4日、創薬スタートアップ等への 投資活動における医薬品製造等の 技術評価に関する業務委受託契約を締結 AGCがCDMO事業の知見を活かし CMC観点での課題分析・助言を行う |
MUCAPに聞く(StartupList取材)
投資判断のフロー
審査プロセスは、ステージや投資金額等により異なるため個別に照会してほしいとしている。審査に必要な書類と投資判断における審査ポイントも、個別案件により異なるため必要に応じて個別に連絡するとしている。
「ワンチーム」によるサポート体制
モノづくり・生活関連の分野から、AI・IoT・Tech・フィンテック・SaaS・ライフサイエンス等の先端領域まで、特定の業種に偏ることなく投資する。
ベンチャー企業と苦楽を共にするキャピタリスト(投資第一本部・投資第二本部)、専門性に秀でた事業戦略パートナー、大企業との事業連携をサポートする部隊(戦略開発部)が一体となり、チームとしてバリューアップに取り組む体制を「ワンチーム」と呼んでいる。
| 本部 | 部署 |
|---|---|
| 投資第一本部 | ライフサイエンス部 / 投資第一部 / アジア・中国室 |
| 投資第二本部 | 投資第二部 / 投資第三部 / 投資第四部 / 大阪支社 / 名古屋支社 |
| コーポレート サービス |
戦略開発部 |
相談を受け付ける相手
起業初心者、学生起業家・若手起業家、研究者、社会人のいずれからの相談も歓迎するとしている。フォロー投資にも積極的で、営業ネットワークの提供も行う。
ライフサイエンスと大学発ベンチャーへの姿勢
バイオ医療品や再生医療等に特化して投資を行うライフサイエンス部を有し、当該分野に高い専門性を持つ担当者が経営のサポートも行う。各種主要大学と連携して大学発ベンチャーへの投資も積極的に行っており、事業化が長期にわたるライフサイエンス分野や新産業分野などで高い成長力を潜在的に有する企業に対しては、自社プロパー資金での投資枠も用意している。
運用ファンド一覧
基幹ファンド(一般分野)
| ファンド | 時期・規模 | テーマ・出資者 |
|---|---|---|
| 三菱UFJキャピタル 10号投資事業 有限責任組合 (MUC-10) |
2025年4月1日設立 (5月28日発表) 300億円 運用期間10年 |
ライフサイエンス分野を 除く一般分野 再生可能エネルギーや 量子技術などの ディープテックが中心 未上場株式の セカンダリー取引による EXIT多様化にも取り組む 出資者は三菱UFJ銀行、 三菱UFJキャピタル |
| 三菱UFJキャピタル 9号投資事業 有限責任組合 (MUC-9) |
2023年3月28日設立 (4月14日発表) 300億円 運用期間10年 |
ライフサイエンス分野を 除く一般分野 出資者は三菱UFJ銀行、 三菱UFJキャピタル |
| 三菱UFJキャピタル 8号ファンド (MUC-8) |
2021年4月23日設立 150億円 |
DX、持続可能な環境・社会 出資者は三菱UFJ銀行、 三菱UFJキャピタル |
ライフサイエンス特化ファンド
| ファンド | 時期・規模 | テーマ |
|---|---|---|
| 三菱UFJ ライフサイエンス 1号投資事業 有限責任組合 |
2017年2月 100億円 |
創薬、再生医療、医療機器 (デジタルヘルスを含む) |
| 三菱UFJ ライフサイエンス 3号投資事業 有限責任組合 (MUFGメディカル ファンド) |
2020年 100億円 |
ライフサイエンス |
| 三菱UFJ ライフサイエンス 4号投資事業 有限責任組合 (LS-4) |
2023年3月28日設立 (4月14日発表) 200億円 |
創薬、創薬基盤、再生医療、 医療機器 出資者は三菱UFJ銀行、 三菱UFJキャピタル |
2023年4月には、MUC-9(300億円)とLS-4(200億円)を合わせて総額500億円のファンド設立を公表した。
その他のファンド
| ファンド | 内容 |
|---|---|
| OiDEファンド 投資事業 有限責任組合 |
第一三共と共同で2013年9月に組成 「OiDE」はOpen innovation for the Development of Emerging technologiesの略 出資は第一三共1億円、 三菱UFJキャピタル最大2億円、 中小企業基盤整備機構4.5億円 一定の要件のもとで第一三共が 対象ベンチャーの株式・知的財産を あらかじめ設定した価格条件で 買い取れる仕組みを備える |
| 日台ファンド (Golden Asia Fund III, L.P.) |
台湾のITIC(創新工業技術移転)と共同運営 2022年に出資約束総額約4,950万米ドルで 初回クロージング |
| 東北6次産業化 サポートファンド |
東北地方を中心とした農林水産業の 成長産業化に投資(運用終了済み) |
キャピタリスト・チーム
| 氏名 | 役職 | 経歴・特記 |
|---|---|---|
| 小島 拓朗 | 代表取締役社長 | 2024年4月1日就任 |
| 長谷川 宏之 | 上席執行役員 ライフサイエンス 部長 |
北海道大学大学院 薬学研究科修士課程修了 1994年に第一製薬 (現・第一三共)入社し 感染症・がん領域を担当 2004年に株式会社 UFJキャピタル入社 2013年からOiDEファンド、 2017年からライフサイエンス 1〜3号ファンド(計300億円)の 投資活動を推進 |
主な投資先
| 企業名 | 事業 | 調達状況・特記 |
|---|---|---|
| AnyMind Group | マーケティング・ EC支援 プラットフォーム |
2023年3月29日に 東証グロースへ上場 (証券コード5027、 公開価格1,000円) |
| マツリカ | 営業支援SaaS 「Mazrica Sales」 (旧Senses) |
三菱UFJキャピタルを リード投資家として 総額約10億円を調達 |
| ハイレゾ | GPUクラウド 「GPUSOROBAN」 |
2026年2月、10号ファンドを 引受先とする 第三者割当増資を実施 |
| ユアスタンド | EV充電インフラ | 9号ファンドを引受先とする 第三者割当増資を実施 |
| UMAMI UNITED | 植物性代替卵 | 2025年10月27日に出資を公表 |
| ひろさきLI | 自家細胞培養による 再生医療等製品 |
ライフサイエンス4号 ファンドから出資 (2024年7月) |
そのほかの主な投資先: モンスターラボホールディングス、トリドリ、エキュメノポリス、青山芸術、コマースロボティクス、ABABA、デリズマート、インゲージ、Turing、ラントリップ、ASTRA FOOD PLAN、ミツモア、Sallyなど。投資先上場会社の一覧は公式サイトで公開されている。
主な出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025-05 | 三菱UFJ銀行と共同で「三菱UFJキャピタル 10号投資事業有限責任組合」(300億円)の 設立を発表(5月28日) 運用ファンド総額が1,700億円に |
| 2025-03 | AGCと、創薬スタートアップ等への 投資活動における医薬品製造等の 技術評価に関する業務委受託契約を締結 (3月4日) |
| 2024-04 | 代表取締役社長に小島拓朗氏が就任 (4月1日) |
| 2024 | 創立50周年。50周年記念サイトを公開 |
| 2023-04 | 「三菱UFJキャピタル9号」(300億円)と 「三菱UFJライフサイエンス4号」 (200億円)、総額500億円のファンド設立を 公表(4月14日。設立は3月28日) |
| 2021-04 | 「三菱UFJキャピタル8号ファンド」 (150億円)を設立(4月23日) |
| 2017-02 | 「三菱UFJライフサイエンス1号 投資事業有限責任組合」(100億円)を組成 |
| 2013-09 | 第一三共と共同で「OiDEファンド」を組成 |
MUCAPの特徴
- MUCAPのポイント
- 2005年度以降の累計投資実績は約1,817件・約1,094億円(2025年3月末時点)、累計IPO社数は937社
- 無限責任組合員を務めるファンドの総額は1,700億円(2025年5月時点)
- 基幹ファンドとライフサイエンスファンドを分けて運用し、基幹ファンド(MUC-9・MUC-10)はライフサイエンス分野を除く一般分野を対象としている
- ライフサイエンス特化ファンドを1号(100億円)、3号(100億円)、4号(200億円)と継続的に組成し、創薬・再生医療・医療機器を投資対象としている
- 10号ファンドでは1社あたりの投資額を、企業の規模に応じて1億円以下または3億円超と想定している
- シードからIPO直前のレイターまで幅広いステージに投資する
- キャピタリスト・事業戦略パートナー・戦略開発部が「ワンチーム」でバリューアップに取り組む体制をとる
- 起業初心者、学生起業家・若手起業家、研究者、社会人のいずれからの相談も歓迎するとしている
- 主要大学と連携して大学発ベンチャーに投資し、事業化が長期にわたる分野では自社プロパー資金での投資枠も用意している
- JST「大学発新産業創出プログラム(START)」の事業プロモーターユニット代表実施機関に採択されている(2022年度)
- MUFGの約40万社の法人取引ネットワークを活用したビジネスマッチングを提供する
よくある質問
Q1. 三菱UFJキャピタル(MUCAP)はどんなベンチャーキャピタルですか?
A. 三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のベンチャーキャピタル。1974年に前身のダイヤモンドキャピタルとして設立され、2005年に現社名となった。運用ファンド総額は1,700億円(2025年5月時点)で、累計IPO社数は937社(2026年8月時点)。ライフサイエンス特化ファンドを運用している点も特徴。
Q2. MUCAPの投資金額はいくらですか?
A. 10号ファンドでは、1社あたりの投資額を企業の規模に応じて1億円以下または3億円超と想定していると公表している。運用ファンドは基幹ファンドのMUC-10が300億円、ライフサイエンス4号が200億円などの規模。
Q3. MUCAPはどのステージ・どんな企業が対象ですか?
A. シード、プレシリーズA、シリーズA、シリーズB以降と幅広く、シード・アーリーからミドル、IPO直前のレイターまで対応する。投資領域はモノづくり・生活関連からAI・IoT・フィンテック・SaaS・ライフサイエンスまで特定業種に偏らない。ライフサイエンス分野は専用ファンド、それ以外は基幹ファンドが担当する。
Q4. MUCAPの投資先にはどんな会社がありますか?
A. AnyMind Group(2023年3月に東証グロース上場)、マツリカ、ハイレゾ、ユアスタンド、UMAMI UNITED、ひろさきLIなど。累計IPO社数は937社(2026年8月時点)で、投資先上場会社の一覧が公式サイトで公開されている。
Q5. MUCAPにアプローチするにはどうすればいいですか?
A. 公式サイトの問い合わせのほか、StartupListから直接オファーを送ることができる。StartupListでは投資ステージや過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、そのままコンタクトできる。
Q6. MUCAPはリード投資をしますか?
A. 案件によってはリード投資もすると回答している。マツリカの総額約10億円の調達では三菱UFJキャピタルがリード投資家を務めた。
Q7. MUCAPの意思決定までの期間はどのくらいですか?
A. 公表されていない。審査プロセスはステージや投資金額等により異なるため個別に照会してほしいとしている。
Q8. MUCAPは大学発ベンチャーにも投資しますか?
A. する。主要大学と連携して積極的に投資しており、事業化が長期にわたるライフサイエンス・新産業分野では自社プロパー資金での投資枠も用意している。JST「大学発新産業創出プログラム(START)」の事業プロモーターユニット代表実施機関にも採択されている。
MUCAPを含む3,700名以上の投資家に、StartupListから直接アプローチ
StartupListには8,500社以上のスタートアップと3,700名以上の投資家が登録。投資ステージ・領域・過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、無料でオファーを送信できる。
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情報源: 三菱UFJキャピタル公式サイト・公式発表・報道、StartupList取材



