リードインベスターとは何か?役割や求められることは?

リードインベスターとは何か?役割や求められることは?

2025.11.19

監修者情報

前川 英麿 さん
プロトスター株式会社 代表取締役
2008年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社(現、大和企業投資株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社)に入社し、ベンチャーキャピタルに従事。その後、常駐のターンアラウンド支援に特化したフロンティア・ターンアラウンド株式会社を経て、2015年スローガン株式会社に参画。投資事業責任者としてSlogan COENT LLPを設立し、執行役員カンパニープレジデント就任。2016年11月に挑戦者支援インフラを創るべくプロトスター株式会社を創業。
 
他にサイトビジット社外監査役、経済産業省 先進的IoTプロジェクト選考会議 審査委員・支援機関代表等を歴任。ホロラボ社外監査役、東京都 政策目的随意契約認定審査会 外部審査委員、青山学院大学「アントレプレナーシップ概論」非常勤教師、グローバルビジネス研究所プロジェクト研究員。早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター招聘研究員等。日本ベンチャー学会所属。

リードインベスター(リード投資家)とはスタートアップ企業における資金調達ラウンドにおいて中心的な役割を担ってくれる重要な存在です。この記事では、リードインベスターの役割とはどのようなものなのか、リードインベスターに期待されているものは何か、を詳しく解説します。



リードインベスターとは?どんな役割?

起業家と一緒にタームシートを決める

リードインベスターは、資金調達に必要な業務や条件を先導・決定する役割を果たします。必要な業務とは、例えば、資金調達に関する契約手続きやデューデリジェンス実施などです。資金調達に関する課題を起業家と協力してクリアするためには、積極的にリードインベスターが関与することが重要です。

 

リードインベスターは資金を投入するスタートアップ企業のみならず他の投資家のことも考慮して活動します。したがって、リードインベスターと良好な関係を構築・維持することで資金調達に続くラウンドの円滑な事業推進も期待できます。

資金調達ラウンド最大の出資者

資金調達ラウンドにおける最大の出資者となるのがリードインベスターです。資金調達ラウンドとは資金調達を実行する局面のことです。資金調達フェーズや投資ラウンドと呼ばれることもあります。

 

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起業家に対する期待感や信頼感は資金額(割合)で表現されるので、通常はリードインベスターが最大の資金の出し手になります。リードインベスターのみが出資者になるケースもあります。

 

全面的にスタートアップ企業をサポートする役割を担うのが、リードインベスターです。

次のラウンドまでの支援をしてくれる

次いで、リードインベスターにはスタートアップ起業を次のラウンドまで支援してくれる役割もあります。場合によっては、会社の重要な会議に参画したり、ビジネスの進捗状況について助言をしたり、といった可能性もあるのです。

 

これまでにリードインベスターがスタートアップ企業のビジネスに関与した経験がある場合には、こうした関係性の構築は大きなメリットとなります。

リードインベスターが出資をするメリット

対外的な信用を得ることができる

多くのスタートアップ企業は信用力が不足していると考えられます。しかし、リードインベスターの存在により「投資するだけの魅力を有する企業である」ということが認知されることになります。

 

社会的に名前が知られている有名なリードインベスターが出資していれば、その知名度が対外的に大きな信用を生み出すといわれているのです。

様々なアドバイスを受けることが可能

リードインベスターから資金面のみならず経営面などさまざまな部分でアドバイスを受けることができることは大きなメリットです。リードインベスターとして当該企業の出資に参加しているということは、出資先が事業展開している業界やビジネスに詳しい可能性が高いと考えられます。

 

こうした存在が側にいるのであれば、積極的にアドバイスを受けることが推奨されます。

リードインベスターとしても自社のアドバイスで出資先のビジネスが好転するのであれば、ナレッジやノウハウを提供することを拒否することは少ないと言われております。

他の投資家を紹介してもらえる

リードインベスターが、出資してくれる新たな投資家を紹介してくれるケースがあります。

 

出資者が多すぎてもいけませんが、新たな投資家が増えれば、それだけスタートアップ企業のビジネスが成長するのでリードインベスターにとっても利点があるのです。

 

上述した新たな投資家をフォロー投資家といいます。

コミュニケーション能力を磨くことが可能

スタートアップ企業はリードインベスターに対して事業の成長性や計画内容について説明する責任があります。リードインベスターとしても、少しでも業績を向上させて欲しいので厳しい質問を投げかけることも多いでしょう。

 

したがって、スタートアップ企業のコミュニケーションの能力やスキルをアップさせることが可能です。

フォロー投資家の役割

リードインベスターの動向を注視し支える

上述したようにリードインベスター以外の新たな投資家をフォロー投資家といいます。フォロー投資家はリードインベスターがどのような動きをしているのか、を注意深く観察しています。

 

それと同時に、リードインベスターがカバーしきれない領域をフォローするという役割も大事だといわれております。

 

資金調達ラウンド以降の事業開始直後のラウンドや事業が軌道に乗り始めたラウンドにおける取引先紹介などのさまざまなサポートを期待することが可能です。

まとめ

リードインベスターは、スタートアップの資金調達ラウンドにおいて、起業家と共にタームシートを決定し、出資だけでなくその後の事業支援まで関与する中心的存在です。

スタートアップにとっては、対外的な信用獲得、アドバイス、投資家ネットワークの拡大、コミュニケーション力強化といった多彩なメリットがあります。

また、フォロー投資家と連携することで、より強固な支援体制が形成されます。調達を検討する際には、誰をリードに据えるか、どう支援を受けるか、ぜひ慎重に検討してみてください。

 

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画像出典元:unsplash

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