「ピッチ資料はできた。事業計画も練った。でも、肝心のVCにどうやって連絡すればいいの?」
「ホームページの問い合わせフォームから送っても、返事が来ない…」
多くの起業家がここで立ち止まります。
VCは非常に多忙です。人気のあるVCには毎日数十件もの投資依頼が届くため、普通の問い合わせは埋もれてしまいがちです。
では、コネクション(人脈)を持たない起業家は、どうやって投資家と接点を持てばいいのでしょうか?
この記事では、元VCの視点から、「投資家と接点を持つためのアプローチ方法」と、コネなしからの突破ルートを4つ紹介します。
【まずは全体像を知りたい方へ】
VCの仕組みや、資金調達全体の流れを知りたい方は、以下のメイン記事を先にご覧ください。
1. 投資家と出会う4つのルート(確度順)
VCと出会う方法は、大きく分けて以下の4つです。
以前は「紹介」が全てでしたが、最近はSNS経由の出会いも当たり前になってきました。
| 方法 | 会える確率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1. 紹介(リファラル) | 高 | 信頼の「お墨付き」がある状態。最強。 |
| 2. ピッチイベント | 中 | 一度に多数のVCに見てもらえる。効率的。 |
| 3. マッチングサービス | 中 | 「投資意欲のあるVC」だけを探せる。 |
| 4. SNS(Xなど) | 相手による | 「DM解放」しているVCならチャンスあり。 |
| 5. 問い合わせフォーム | 低 | ほぼ読まれないことが多い。最終手段。 |
2. 最強なのは「紹介(リファラル)」だが…
VC業界は、依然として「紹介文化」が根強いです。
「信頼できるAさんの紹介なら、とりあえず会ってみよう」となるのが人間心理だからです。
-
誰からの紹介が効くか?
- ・そのVCが過去に投資して成功した起業家(最強)
- ・付き合いのある弁護士・税理士
- ・他のVC(協調投資の誘い)
しかし、これから起業する人の多くは「そんなコネ、持っていない」というのが現実でしょう。無理に薄い繋がり(名刺交換しただけの人)に紹介を頼むよりも、以下の「自力突破ルート」を使ったほうが早い場合もあります。
3. 効率重視なら「ピッチイベント」に登壇する
コネがない場合、最もおすすめなのが「VCが集まる場所に自分から行く」ことです。その代表格がピッチイベントです。
一度に数十人のVCにアピールできる
個別に連絡をとれば1社ずつですが、イベントなら一度の登壇で会場にいる数十人のVCに認知してもらえます。
- メリット: 興味を持ったVCの方から声をかけてくれる(立場が逆転する)。
- デメリット: 登壇には予選審査がある場合が多い。
【まろコメント:SLピッチの現場】
私が主催する「SLピッチ」は、毎月開催で115回以上続いています。
ここには「新しい投資先を探しているVC」しか来ません。つまり、全員が「聞く耳」を持っています。メールで反応がなかった起業家が、ピッチ後の交流会で5枚の名刺を獲得し、そこから資金調達につながった例は数え切れません。

ピッチ後のネットワーキングの様子。この熱気の中から数々の資金調達が生まれています
4. 「マッチングサービス」で精度の高いアプローチをする
「イベント登壇はハードルが高い」「地方に住んでいる」という場合は、オンラインのマッチングプラットフォーム(StartupListなど)が有効です。
フォームやDMとの違い
ホームページからの問い合わせやSNSと違い、マッチングサービス内でのメッセージは「投資家も起業家を探している状態」で届くため、マッチング率が高くなります。
- コツ: テンプレートのコピペは避けましょう。「なぜ御社なのか(投資実績や得意領域)」に触れて、個別具体的なメッセージを送るのが基本です。
あわせて読みたい:【2025年最新版】VC(ベンチャーキャピタル)一覧!シード向けや独立系VCを紹介
5. 現代の飛び込み営業「SNS(X)活用」のコツ
HPの問い合わせフォームは返信率が低いですが、X(旧Twitter)のDMは有効な手段です。
最近のVC、特に独立系や若手のキャピタリストは、Xで積極的に情報発信をしており、「DM開放中」「起業相談ウェルカム」としている方も多いです。
もちろん「誰でも会える」わけではありませんが、返信をもらいやすくするコツはあります。
返信率を上げるX(Twitter)DMのヒント
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相手の投資スタイルを知る:
- 相手のプロフィールや過去のポストを見て、自分の事業領域(SaaS、DeepTechなど)に投資しているかを確認しましょう。
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結論ファーストで書く:
- 多忙な相手への配慮として、「どんな事業をしていて、何をしてほしいのか(面談依頼か、壁打ちか)」を簡潔に伝えます。
-
情報はオープンにする:
- 必須ではありませんが、もし公開できるならピッチデック(資料)や実績の数字を添えると、VC側も判断がしやすくなり、話が早く進むことがあります。
まとめ:待っていてもVCは来ない
「良いモノを作れば、いつか誰かが見つけてくれる」というのは幻想です。
VCは、自らリスクを取って行動し、泥臭くチャンスを掴み取りに来る起業家を好みます。
- 紹介がないなら、イベントに出る。
- Xで反応がないなら、StartupListで「投資意欲のある人」を探して送る。
行動した数だけ、出会いの確率は上がります。
まずは国内最大級の投資家リストにアクセスし、あなたの事業に興味を持ってくれそうなパートナーを探すことから始めましょう。
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