VCへの「会い方」と「投資家の探し方」4選|コネなしからの資金調達方法

VCへの「会い方」と「投資家の探し方」4選|コネなしからの資金調達方法

0025.11.21
この記事の監修・執筆:前川 英麿(プロトスター株式会社 代表 / 元VC)
早稲田大卒業後、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社(現、大和企業投資株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社)等でVC投資活動に従事。現在はプロトスター株式会社代表取締役として、起業家支援インフラ「StartupList」を運営し、115回以上続くリアルイベント「SLピッチ」を主催。現場の視点でVCのリアルを解説します。

 

 

「ピッチ資料はできた。事業計画も練った。でも、肝心のVCにどうやって連絡すればいいの?」

「ホームページの問い合わせフォームから送っても、返事が来ない…」

多くの起業家がここで立ち止まります。

 

VCは非常に多忙です。人気のあるVCには毎日数十件もの投資依頼が届くため、普通の問い合わせは埋もれてしまいがちです。

では、コネクション(人脈)を持たない起業家は、どうやって投資家と接点を持てばいいのでしょうか?

 

この記事では、元VCの視点から、「投資家と接点を持つためのアプローチ方法」と、コネなしからの突破ルートを4つ紹介します。

 

【まずは全体像を知りたい方へ】

VCの仕組みや、資金調達全体の流れを知りたい方は、以下のメイン記事を先にご覧ください。

VC(ベンチャーキャピタル)とは?元VCが教える「仕組み」と「資金調達」の全知識


1. 投資家と出会う4つのルート(確度順)

VCと出会う方法は、大きく分けて以下の4つです。

以前は「紹介」が全てでしたが、最近はSNS経由の出会いも当たり前になってきました。

方法 会える確率 特徴
1. 紹介(リファラル) 信頼の「お墨付き」がある状態。最強。
2. ピッチイベント 一度に多数のVCに見てもらえる。効率的。
3. マッチングサービス 「投資意欲のあるVC」だけを探せる。
4. SNS(Xなど) 相手による 「DM解放」しているVCならチャンスあり。
5. 問い合わせフォーム ほぼ読まれないことが多い。最終手段。

 

2. 最強なのは「紹介(リファラル)」だが…

VC業界は、依然として「紹介文化」が根強いです。

「信頼できるAさんの紹介なら、とりあえず会ってみよう」となるのが人間心理だからです。

 

  • 誰からの紹介が効くか?
    1. ・そのVCが過去に投資して成功した起業家(最強)
    2. ・付き合いのある弁護士・税理士
    3. ・他のVC(協調投資の誘い)
    4.  

しかし、これから起業する人の多くは「そんなコネ、持っていない」というのが現実でしょう。無理に薄い繋がり(名刺交換しただけの人)に紹介を頼むよりも、以下の「自力突破ルート」を使ったほうが早い場合もあります。

 


3. 効率重視なら「ピッチイベント」に登壇する

コネがない場合、最もおすすめなのが「VCが集まる場所に自分から行く」ことです。その代表格がピッチイベントです。

 

一度に数十人のVCにアピールできる

個別に連絡をとれば1社ずつですが、イベントなら一度の登壇で会場にいる数十人のVCに認知してもらえます。

 

  • メリット: 興味を持ったVCの方から声をかけてくれる(立場が逆転する)。
  • デメリット: 登壇には予選審査がある場合が多い。
  •  

【まろコメント:SLピッチの現場】

私が主催する「SLピッチ」は、毎月開催で115回以上続いています。

ここには「新しい投資先を探しているVC」しか来ません。つまり、全員が「聞く耳」を持っています。メールで反応がなかった起業家が、ピッチ後の交流会で5枚の名刺を獲得し、そこから資金調達につながった例は数え切れません。

ピッチ後のネットワーキングの様子。この熱気の中から数々の資金調達が生まれています

 


4. 「マッチングサービス」で精度の高いアプローチをする

「イベント登壇はハードルが高い」「地方に住んでいる」という場合は、オンラインのマッチングプラットフォーム(StartupListなど)が有効です。

 

フォームやDMとの違い

ホームページからの問い合わせやSNSと違い、マッチングサービス内でのメッセージは「投資家も起業家を探している状態」で届くため、マッチング率が高くなります。

 

  • コツ: テンプレートのコピペは避けましょう。「なぜ御社なのか(投資実績や得意領域)」に触れて、個別具体的なメッセージを送るのが基本です。
  •  

あわせて読みたい:【2025年最新版】VC(ベンチャーキャピタル)一覧!シード向けや独立系VCを紹介


5. 現代の飛び込み営業「SNS(X)活用」のコツ

HPの問い合わせフォームは返信率が低いですが、X(旧Twitter)のDMは有効な手段です。

最近のVC、特に独立系や若手のキャピタリストは、Xで積極的に情報発信をしており、「DM開放中」「起業相談ウェルカム」としている方も多いです。

もちろん「誰でも会える」わけではありませんが、返信をもらいやすくするコツはあります。

 

返信率を上げるX(Twitter)DMのヒント

  1. 相手の投資スタイルを知る:
    • 相手のプロフィールや過去のポストを見て、自分の事業領域(SaaS、DeepTechなど)に投資しているかを確認しましょう。
    •  
  2. 結論ファーストで書く:
    • 多忙な相手への配慮として、「どんな事業をしていて、何をしてほしいのか(面談依頼か、壁打ちか)」を簡潔に伝えます。
    •  
  3. 情報はオープンにする:
    • 必須ではありませんが、もし公開できるならピッチデック(資料)や実績の数字を添えると、VC側も判断がしやすくなり、話が早く進むことがあります。
    •  

まとめ:待っていてもVCは来ない

「良いモノを作れば、いつか誰かが見つけてくれる」というのは幻想です。

VCは、自らリスクを取って行動し、泥臭くチャンスを掴み取りに来る起業家を好みます。

  • 紹介がないなら、イベントに出る。
  • Xで反応がないなら、StartupListで「投資意欲のある人」を探して送る。

行動した数だけ、出会いの確率は上がります。

まずは国内最大級の投資家リストにアクセスし、あなたの事業に興味を持ってくれそうなパートナーを探すことから始めましょう。

 

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監修者情報

前川 英麿 さん
プロトスター株式会社 代表取締役
2008年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社(現、大和企業投資株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社)に入社し、ベンチャーキャピタルに従事。その後、常駐のターンアラウンド支援に特化したフロンティア・ターンアラウンド株式会社を経て、2015年スローガン株式会社に参画。投資事業責任者としてSlogan COENT LLPを設立し、執行役員カンパニープレジデント就任。2016年11月に挑戦者支援インフラを創るべくプロトスター株式会社を創業。
 
他にサイトビジット社外監査役、経済産業省 先進的IoTプロジェクト選考会議 審査委員・支援機関代表等を歴任。ホロラボ社外監査役、東京都 政策目的随意契約認定審査会 外部審査委員、青山学院大学「アントレプレナーシップ概論」非常勤教師、グローバルビジネス研究所プロジェクト研究員。早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター招聘研究員等。日本ベンチャー学会所属。著『起業の壁 ―安易な起業はおススメしません

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