
Spiral Capitalは、シード・アーリー期を中心に投資する独立系ベンチャーキャピタル。2012年設立のIMJ Investment Partnersを前身とし、2017年3月のMBOによる独立を経て2020年1月に現社名となった。グループ会社Spiral Innovation Partnersを通じて大企業とのセクター特化型ファンドも運営し、グループの運用資産は約1,030億円(2026年7月時点)。このページでは、Spiral Capitalの投資条件・ファンド構成・投資先と、StartupListの取材で聞いた投資決定フローと審査ポイントを掲載する。
基本情報
| 正式名称 | Spiral Capital株式会社 (Spiral Capital, Inc.) |
|---|---|
| 種別 | 独立系VC |
| 設立 | 2016年(2017年3月にMBOで独立) |
| 代表者 | 代表パートナー 奥野 友和 |
| 所在地 | 東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB (VC集積拠点 「東京ベンチャーキャピタルハブ」内) |
| 沿革 | 2012年、IMJの子会社として IMJ Investment Partners設立 (シンガポール拠点) → 2013年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ (CCC)が親会社IMJを買収 → 2017年3月、MBOにより独立し Spiral Venturesへ社名変更 → 2020年1月、Spiral Ventures Japanから Spiral Capitalへリブランドし、 同時にSpiral Innovation Partnersの設立を発表 |
| グループ会社 | Spiral Innovation Partners (大企業と共同でセクター特化型ファンドを 設計・運営。代表パートナー 岡 洋) |
| 公式サイト | URL:https://spiral-cap.com/ |
投資条件サマリ
| 投資ステージ | シード / アーリー / シリーズA / シリーズB以降 (シード〜アーリーが中心。 ミドル〜レイターもカバー) |
|---|---|
| 1社あたり投資金額 |
数千万円〜5億円(最大10億円) (アーリー・ミドルは1〜5億円、 レイターは5〜10億円・StartupList取材) |
| 投資領域 | AI / フィンテック / ヘルスケア / ディープテック (3号ファンドの重点4領域「BIG4」は AI・スマートインフラ・ フィンテック・ヘルスケア。 従来からのテーマはX-Tech (ネットとリアルの融合)) |
| リード投資 | する (リード投資家として経営に伴走するのが基本方針。 フォローオン投資も積極的に実施・ StartupList取材) |
| 意思決定期間 |
平均2〜3ヶ月 (初回面談からクロージングまで・ StartupList取材) |
| 投資スタイル | ハンズオン (リード投資家として経営に伴走・ StartupList取材) |
| 累計投資社数 | 非公表 |
| グループ運用資産 | 約1,030億円(2026年7月時点) |
Spiral Capitalに聞く(StartupList取材)
StartupListはSpiral Capitalに、投資判断の進め方と評価の基準について取材した。
Q. 投資の意思決定はどのように進みますか?
投資判断は次の4ステップで進む。
- 投資決定フロー
- 投資担当者によるデューデリジェンス
- 社内会議
- マネジメントプレゼン
- 投資委員会
Q. 意思決定までどのくらいかかりますか?
初回面談からクロージングまでの期間は平均2〜3ヶ月。
Q. 審査に必要な書類は?
- 審査に必要な書類
- 事業計画書、数値計画、資本政策表
- 基本情報(謄本、定款、株主名簿、決算書、過去の投資契約書類、経営陣経歴書、組織図、重要契約書類など)
- 事業・ビジネスモデルによって異なる資料(営業用資料、KPIデータ、顧客リスト、営業パイプライン、開発ロードマップなど)を依頼する場合がある
Q. 投資判断ではどこを見ていますか?
重視する点として次の5つを挙げている。
- 投資判断における審査ポイント
- 経営チーム(強み、経営スタイル)
- 市場(課題、規模、参入機会)
- 競争優位性(技術、ブランド、ネットワーク効果など)
- ビジネスモデル(ユニットエコノミクス、収益構造)
- 事業リスク
「上記を総合的に検討します。大前提として全てが揃っているものを求めていたり、平均点の高いことを理想と考えていたりすることはありません。各社それぞれに強み・弱み、カルチャーがあるので、それらを把握し、どのように事業を成長させるかを一緒に考えたいと思っています。」
運用ファンド一覧
自社ファンド
| ファンド名 | 組成・規模 | 特記 |
|---|---|---|
| Spiral Capital Japan Fund 1号 |
2016年組成 (2018年1月 ファイナルクローズ) 約70億円 |
— |
| Spiral Capital Japan Fund 2号 |
2019年組成 150億円規模 |
中小機構が起業支援ファンドとして LP出資(2021年・30億円) |
| Spiral Capital Japan Fund 3号 投資事業 有限責任組合 |
2024年4月設立 2025年12月に募集完了 総額150億円 |
重点4領域「BIG4」 (AI・スマートインフラ・ フィンテック・ヘルスケア) LPに産業革新投資機構(30億円)、 伊藤忠丸紅鉄鋼、京王電鉄、紅中など |
Spiral Innovation Partners運営のセクター特化型ファンド(公表分)
| ファンド名 | 組成・規模 | パートナー企業 |
|---|---|---|
| Logistics Innovation Fund (LIF) |
2019年設立 2020年8月に運用開始 70億円 |
セイノーホールディングス (アンカーLP) |
| T&D Innovation Fund |
2022年7月 50億円規模 |
T&Dホールディングス |
| Value Chain Innovation Fund (VIF) |
2023年7月 70億円 (2024年4月に85億円) |
セイノーホールディングス |
| 全国保証 イノベーション ファンド |
2023年7月 50億円 |
全国保証 |
| ゆうちょ Spiral Regional Innovation 1号 |
2024年3月設立 4月運用開始 100億円規模 |
ゆうちょ銀行 地域課題解決が対象 1件あたり1億〜10億円 |
| 森ビル イノベーション ファンド |
2026年2月設立 4月運用開始 100億円規模 |
森ビル |
| SEINO Alliance Fund |
2026年7月 100億円規模 |
セイノーホールディングス (単独LP) IPOを見据えたミドル〜レイター、 セカンダリ、 大企業からのスピンオフが対象 |
SEINO Alliance FundはSpiral Innovation Partnersが運営する9本目のファンドにあたる。
キャピタリスト・チーム
| 氏名 | 役職 | 経歴・特記 |
|---|---|---|
| 奥野 友和 | 代表パートナー | 早稲田大学商学部卒、 ペンシルベニア大学ウォートン校MBA 証券会社3社の投資銀行部門で計13年 2015年にCCCグループ執行役員兼 デジタル部門CFOを経て 2017年に独立し設立 |
| 平野 正雄 | 会長 | マッキンゼー日本支社長、 カーライル日本共同代表、 早稲田大学ビジネススクール教授を歴任 |
| 千葉 貴史 | パートナー | カーライル・グループ、 ドイツ証券投資銀行部門を経て、 2013〜2016年に不動産テックの イタンジでCOO/CFO 2016年6月に1号ファンドの 創業メンバーとして参画 |
| 岩瀬 大輔 | シニア アドバイザー |
2020年8月に マネージングパートナーとして参画 東京大学法学部卒、ハーバードMBA 2006年にライフネット生命保険を 共同創業 |
主な投資先
| 企業名 | 事業 | 調達状況・特記 |
|---|---|---|
| Visional | HR Tech (ビズリーチ) |
2021年4月東証マザーズ上場 |
| ENECHANGE | エネルギーテック | 2020年12月東証マザーズ上場 |
| rakumo | グループウェア | 2020年9月東証マザーズ上場 |
そのほかの主な投資先: オープンロジ(物流アウトソーシング)、みんなのマーケット(くらしのマーケット)、div(TECH CAMP)など。
主な出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2026-07 | SEINO Alliance Fund(100億円規模)組成 グループ運用資産が約1,030億円に |
| 2026-04 | 森ビルイノベーションファンド (100億円規模)の運用を開始 |
| 2025-12 | 3号ファンドを総額150億円で募集完了 |
| 2025-02 | 麻布台ヒルズのオフィスを増床 (2023年11月の入居以降、 会社規模が2倍に拡大したため) |
| 2024-04 | 3号ファンド設立 ゆうちょ Spiral Regional Innovation 1号 (100億円規模)の運用を開始 |
| 2023-11 | 麻布台ヒルズ「東京ベンチャーキャピタルハブ」へ オフィス移転 |
| 2023-07 | Value Chain Innovation Fund(70億円)、 全国保証イノベーションファンド(50億円)を組成 |
| 2022-07 | T&D Innovation Fund(50億円規模)を組成 |
| 2020-01 | Spiral Capitalへリブランド、 Spiral Innovation Partnersの設立を発表 |
| 2017-03 | MBOにより独立、Spiral Venturesへ社名変更 |
| 2012 | 前身のIMJ Investment Partners設立 |
Spiral Capitalの特徴
- Spiral Capitalのポイント
- シード・アーリー期のリード投資を基本方針とし、ミドル〜レイターまでフォローオン投資を継続する(StartupList取材)
- 投資決定は4ステップで進み、初回面談からクロージングまで平均2〜3ヶ月(StartupList取材)
- 審査では経営チーム・市場・競争優位性・ビジネスモデル・事業リスクの5点を総合的に検討し、「全てが揃っていること」や「平均点の高さ」は求めないとしている(StartupList取材)
- グループ会社Spiral Innovation Partnersが大企業と共同でセクター特化型ファンドを設計・運営し、投資先と大企業の連携を支援する
- セイノーホールディングスとは2016年から協業し、物流領域で3本の共同ファンド(LIF・VIF・SEINO Alliance Fund)を組成
- 3号ファンドの重点4領域は「BIG4」としてAI・スマートインフラ・フィンテック・ヘルスケアを掲げる
- 麻布台ヒルズのVC集積拠点「東京ベンチャーキャピタルハブ」に拠点を置く
よくある質問
Q1. Spiral CapitalはどんなVCですか?
A. シード・アーリー期を中心に投資する独立系ベンチャーキャピタル。2012年設立のIMJ Investment Partnersを前身とし、2017年のMBOで独立した。グループ会社Spiral Innovation Partnersによるセクター特化型ファンドも含めた運用資産は約1,030億円(2026年7月時点)。
Q2. Spiral Capitalの投資金額はいくらですか?
A. StartupListの取材によると、数千万円〜5億円(最大10億円)。アーリー・ミドルは1〜5億円、レイターは5〜10億円が目安。
Q3. Spiral Capitalはどのステージ・どんな企業が対象ですか?
A. シード〜アーリーが中心で、ミドル〜レイターもカバーする。3号ファンドの重点領域はAI・スマートインフラ・フィンテック・ヘルスケアの4分野。
Q4. Spiral Capitalの投資先にはどんな会社がありますか?
A. Visional(2021年上場)、ENECHANGE(2020年上場)、rakumo(2020年上場)、オープンロジ、みんなのマーケット、divなど。
Q5. Spiral Capitalにアプローチするにはどうすればいいですか?
A. 公式サイトの問い合わせのほか、StartupListから直接オファーを送ることができる。StartupListでは投資ステージや過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、そのままコンタクトできる。
Q6. Spiral Capitalはリード投資をしますか?
A. StartupListの取材に対し、リード投資家として経営に伴走するのが基本方針であり、フォローオン投資も積極的に行うと回答している。
Q7. Spiral Capitalの意思決定までの期間はどのくらいですか?
A. StartupListの取材によると、初回面談からクロージングまで平均2〜3ヶ月。投資担当者のデューデリジェンス、社内会議、マネジメントプレゼン、投資委員会の4ステップで進む。
Q8. Spiral Capitalのバリュエーションの目安は?
A. 公表されていない。ラウンド設計は個別協議となる。
Q9. Spiral Capitalの審査は何を見ていますか?
A. StartupListの取材では、経営チーム(強み、経営スタイル)、市場(課題、規模、参入機会)、競争優位性(技術、ブランド、ネットワーク効果など)、ビジネスモデル(ユニットエコノミクス、収益構造)、事業リスクの5点を挙げている。「大前提として全てが揃っているものを求めていたり、平均点の高いことを理想と考えていたりすることはありません」としている。
Spiral Capitalを含む3,000名以上の投資家に、StartupListから直接アプローチ
StartupListには1万社以上のスタートアップと3,000名以上の投資家が登録。投資ステージ・領域・過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、無料でオファーを送信できる。
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情報源: Spiral Capital公式サイト・公式発表・各パートナー企業リリース・報道、StartupList取材



