日本ベンチャーキャピタル(NVCC)は、1996年に設立された独立系ベンチャーキャピタル。銀行系などの系列に属さず、起業家中心にアーリーステージから支援することを掲げて設立された。累計投資社数は1,000社を超え、投資先の累計IPO社数は174社(2025年12月24日時点)。京都大学・大阪大学・名古屋大学の大学系ファンドや、けいはんな学研都市ATRファンドなど、研究機関・地域と連携したファンドを多数運用する。このページでは、NVCCの投資条件・ファンド構成・チーム・投資先と、起業家からのアプローチ方法を掲載する。
基本情報
| 正式名称 | 日本ベンチャーキャピタル株式会社 (Nippon Venture Capital Co., Ltd.) 略称: NVCC |
|---|---|
| 種別 | 独立系VC (銀行系などの系列に属さない) |
| 設立 | 1996年2月1日 |
| 代表者 | 代表取締役会長 奥原 主一 代表取締役社長 多賀谷 実 |
| 所在地 | 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング34階 (西日本支社は大阪市中央区今橋3-2-20 洪庵日生ビル2階) |
| 資本金 | 20億5,000万円 |
| 主要株主 | 日本生命保険、セコム、ダイキン工業、 大和証券グループ、 野村ホールディングスほか (出資比率は非公表) |
| 沿革 | 1996年2月、牛尾治朗氏(ウシオ電機会長)と 文箭安雄氏(元コスモ証券社長)を中心に、 銀行系などの系列に属さず起業家中心に アーリーステージから支援するVCとして設立 2009年4月に奥原主一氏が代表取締役社長に 就任、2019年6月14日付で奥原氏が 代表取締役会長、多賀谷実氏が 代表取締役社長に就任 |
| グループ会社 | 企業活性パートナーズ株式会社 (CVPC・M&A支援) |
| 公式サイト | URL:https://www.nvcc.co.jp/ |
投資条件サマリ
| 投資ステージ | アーリー / シリーズA / シリーズB以降 (アーリーステージが中心。 レイターステージや社歴の長い企業まで 対象とする) |
|---|---|
| 1社あたり投資金額 |
1,000万円〜2億円 (初回投資の場合・ StartupListの取材に回答) |
| 投資領域 | オールジャンル (業種の制約は設けない。 重点領域はIT、医療・バイオ、 環境エネルギー) |
| リード投資 |
する (創業初期の段階から出資し リード投資家として参画する方針を公表。 ペルセウスプロテオミクス、 ブルーイノベーションでの実績がある) StartupListの取材では 「場合によってはリード投資を行う」 と回答している |
| 意思決定期間 |
最短2〜3ヶ月 (キャピタリスト面談・社内投資検討会・ 投資委員会の3ステップ・ StartupListの取材に回答) |
| 投資スタイル |
ハンズオン (経営に必要な助言、販売面のアドバイス、 上場に関するサポート、役員就任等を行う。 投資からEXITまで同一担当者が 一貫して担当する) |
| 累計投資社数 |
1,000社超 (うち174社がIPO・ 2025年12月24日時点) |
| バリュエーション | 数億円〜数十億円 (StartupListの取材に回答) |
| 投資判断の観点 | 経営者、技術力、営業力、 ビジネスモデル、知的財産、 財務状況、株主構成、資本政策 |
| 大学・地域連携 | 京都大学・大阪大学・名古屋大学 (東海地区5大学)の大学系ファンド、 けいはんな学研都市ATRファンド、 デジタルヘルスファンド大阪を運用 |
支援体制
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 一貫担当制 | 投資からEXITまで同一担当者が 一貫して担当する |
| ハンズオン支援 | 経営に必要な助言、販売面でのアドバイス、 上場に関するサポート、役員就任 インキュベーションプログラムも提供する |
| 事業会社 ネットワーク |
役員会社・株主会社・ファンド出資者として 150社以上の大手企業が関与しており、 事業評価と投資後のアライアンス構築を 支援する |
| M&A支援 | グループ会社の企業活性パートナーズ (CVPC)がM&Aを支援する |
NVCCに聞く(StartupList取材)
審査プロセス
審査プロセスは以下のフローになります。
- 審査プロセス
- ①キャピタリスト面談(複数回)
- ②社内投資検討会
- ③投資委員会(投資先候補によるプレゼン発表とQ&A)
審査には、最短で2〜3ヶ月かかります。
初回面談に必要な書類
以下の書類が必要です。
- 必要書類
- ピッチ資料
- 事業計画
- 試算表
- 資本政策表
投資判断における審査ポイント
重視する点は以下です。
- 審査ポイント
- 創業者やチーム
- 解決する課題とニーズ
- 市場性
- 成長性
- 技術面の評価と可能性
マッチしにくい会社や起業家
顧客のフィードバックが得られていない状態の場合は、投資しにくいとしている。
支援の進め方
担当キャピタリストが投資先との関係や要望に応じて支援する。例として月1回の経営会議・取締役会議への参加、営業紹介がある。
運用ファンド一覧
本体シリーズファンド
| ファンド | 組成時期 | 規模 |
|---|---|---|
| NVCC7号投資事業 有限責任組合 |
2014年3月20日 | 52億円 |
| NVCC8号投資事業 有限責任組合 |
2017年3月24日 | 71億円 |
| NVCC9号投資事業 有限責任組合 |
2020年9月16日 | 94億円 |
| NVCC10号投資事業 有限責任組合 |
2024年6月28日 | 非公表 |
NVCC9号は地域や分野に制限を設けず、情報通信(IT)、ヘルスケア、エネルギー環境、ナノテクノロジー、素材等を主な投資想定領域としている。LPには味の素が出資している。
大学・アカデミア連携ファンド
| ファンド | 時期・規模 | 対象 |
|---|---|---|
| 京大ベンチャー NVCC1号投資事業 有限責任組合 |
2007年8月31日 45億円 |
京都大学関連ベンチャー |
| 名古屋大学・ 東海地区大学広域 ベンチャー1号 投資事業 有限責任組合 |
2016年3月8日 25億円 |
名古屋大学、岐阜大学、 豊橋技術科学大学、 名古屋工業大学、三重大学 |
| 京大ベンチャー NVCC2号投資事業 有限責任組合 |
2018年12月25日 54億円 |
京都大学関連ベンチャー |
| 阪大ベンチャー NVCC1号投資事業 有限責任組合 |
2019年8月1日 11億円 |
大阪大学関連ベンチャー |
地域・テーマ型ファンド
| ファンド | 時期・規模 | テーマ |
|---|---|---|
| NVCCスタート アップファンド 投資事業 有限責任組合 |
2013年7月1日 2億円 |
スタートアップ |
| けいはんな学研都市 ATRベンチャー NVCC投資事業 有限責任組合 |
2015年2月10日 設立時47億円 (最大50億円を予定) |
ATR(国際電気通信基礎 技術研究所)の技術シーズの 事業化 LPに産業革新機構、 新生銀行(現SBI新生銀行)、 京都銀行、構造計画研究所 |
| fabbit・NVCC スタートアップ ファンド投資事業 有限責任組合 |
2018年10月1日 3.2億円 |
スタートアップ LPはfabbit、新生銀行 |
| デジタルヘルス ファンド大阪 投資事業 有限責任組合 |
2023年4月20日 当初20億円 (運用期間12年) |
SaMD(プログラム医療機器)を 中心としたデジタル ヘルスケア LPにTIS |
キャピタリスト・チーム
| 氏名 | 役職 | 経歴・特記 |
|---|---|---|
| 奥原 主一 | 代表取締役会長 | 1992年東京大学工学部 産業機械工学科卒 1994年同大学院工学系研究科 情報機械工学修了 同年アンダーセン コンサルティング (現アクセンチュア)入社 1998年当社入社、 2008年取締役投資部長、 2009年4月代表取締役社長就任 |
| 多賀谷 実 | 代表取締役社長 | 京都大学工学部化学工学科卒 1994年三菱銀行 (現三菱UFJ銀行)入行、 2000年当社入社 2014年取締役、 2016年取締役常務執行役員を 経て2019年代表取締役社長就任 京大ベンチャーファンド等の アカデミアファンドの 企画・設立を担当 |
| 桑園 寛之 | 取締役 専務執行役員 |
慶應義塾大学商学部卒 日本債券信用銀行 (現あおぞら銀行)を経て 2009年当社入社 IT・サービス業のアーリー ステージを中心に 50社以上へ投資 |
主な投資先
| 企業名 | 事業 | 調達状況・特記 |
|---|---|---|
| PRONI | ビジネスマッチング プラットフォーム |
2025年12月24日に 東証グロースへ上場 (主幹事: 大和証券、 公開価格1,750円/ 初値1,875円) |
| Aiロボティクス | D2Cブランド運営 | 2024年9月27日に 東証グロースへ上場 (主幹事: SBI証券、 公募価格1,760円/ 初値2,514円) |
| note | コンテンツ配信 プラットフォーム |
2022年12月21日に 東証グロースへ上場 |
| ブルー イノベーション |
ドローン ソフトウェア |
けいはんなATRファンドから リード投資家として出資 2023年12月12日に 東証グロースへ上場 |
| クオリプス | iPS細胞由来 心筋シート |
2023年6月27日に 東証グロースへ上場 |
| テックドクター | ウェアラブル データ解析 |
2025年5月7日発表の シリーズBで約12億円を調達 (NVCC9号および デジタルヘルスファンド大阪が 引受先の一部として参加。 累計調達額約18億円) |
そのほかの主な投資先: MFS、Chordia Therapeutics、シンカ、Veritas In Silico、ナイル、イーディーピー、ANYCOLOR、TOKYO BASE、ペルセウスプロテオミクスなど1,000社超。全ポートフォリオとIPO実績は公式サイトを参照。
主な出来事
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024-06 | NVCC10号投資事業有限責任組合を設立 (6月28日) |
| 2023-04 | 「デジタルヘルスファンド大阪投資事業 有限責任組合」(20億円・運用期間12年)を 設立(4月20日) |
| 2020-09 | NVCC9号投資事業有限責任組合(94億円)を 設立(9月16日) |
| 2019-08 | 「阪大ベンチャーNVCC1号投資事業 有限責任組合」(11億円)を設立(8月1日) |
| 2019-06 | 奥原主一氏が代表取締役会長、 多賀谷実氏が代表取締役社長に就任 (6月14日) |
| 2018-12 | 「京大ベンチャーNVCC2号投資事業 有限責任組合」(54億円)を設立 (12月25日) |
| 2018-10 | fabbitと「fabbit・NVCCスタートアップ ファンド投資事業有限責任組合」を設立 (10月1日) |
| 2017-03 | NVCC8号投資事業有限責任組合(71億円)を 設立(3月24日) |
| 2016-03 | 「名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャー 1号投資事業有限責任組合」(25億円)を設立 (3月8日) |
| 2015-02 | 「けいはんな学研都市ATRベンチャーNVCC 投資事業有限責任組合」を設立(2月10日) |
NVCCの特徴
- NVCCのポイント
- 累計投資社数は1,000社を超え、投資先の累計IPO社数は174社(2025年12月24日時点)
- 銀行系などの系列に属さない独立系VCとして1996年に設立された
- 京都大学・大阪大学・名古屋大学(東海地区5大学)の大学系ファンドを運用している
- けいはんな学研都市ATRファンドやデジタルヘルスファンド大阪など、研究機関や地域と連携したテーマ型ファンドを運用している
- 投資ステージはアーリー中心としつつ、レイターステージや社歴の長い企業まで対象とし、業種の制約を設けていない
- 創業初期の段階から出資しリード投資家として参画する方針を公表している
- 投資からEXITまで同一担当者が一貫して担当する
- 審査は最短2〜3ヶ月で、初回面談にはピッチ資料・事業計画・試算表・資本政策表が必要
- 顧客のフィードバックが得られていない状態の会社には投資しにくいとしている
- 役員会社・株主会社・ファンド出資者として150社以上の大手企業が関与し、事業評価とアライアンス構築を支援する
よくある質問
Q1. NVCC(日本ベンチャーキャピタル)はどんなベンチャーキャピタルですか?
A. 1996年2月に設立された独立系ベンチャーキャピタル。累計投資社数は1,000社を超え、投資先の累計IPO社数は174社(2025年12月24日時点)。京都大学・大阪大学・名古屋大学の大学系ファンドを運用している点が特徴。
Q2. NVCCの投資金額はいくらですか?
A. 初回投資の場合で1,000万円〜2億円と回答している。バリュエーションレンジは数億円〜数十億円。
Q3. NVCCはどのステージ・どんな企業が対象ですか?
A. アーリーステージが中心で、レイターステージや社歴の長い企業まで対象とする。業種の制約は設けておらず、重点領域はIT、医療・バイオ、環境エネルギー。大学系ファンドを通じて京都大学・大阪大学・名古屋大学等の大学発ベンチャーにも投資している。
Q4. NVCCの投資先にはどんな会社がありますか?
A. note(2022年12月に東証グロース上場)、ブルーイノベーション(2023年12月上場)、クオリプス(2023年6月上場)、Aiロボティクス(2024年9月上場)、PRONI(2025年12月上場)など。累計投資社数は1,000社を超え、うち174社が上場している(2025年12月24日時点)。
Q5. NVCCにアプローチするにはどうすればいいですか?
A. 公式サイトの問い合わせのほか、StartupListから直接オファーを送ることができる。StartupListでは投資ステージや過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、そのままコンタクトできる。
Q6. NVCCはリード投資をしますか?
A. する。創業初期の段階から出資しリード投資家として参画する方針を公表しており、ペルセウスプロテオミクスやブルーイノベーションでのリード投資実績がある。
Q7. NVCCの意思決定までの期間はどのくらいですか?
A. 審査には最短で2〜3ヶ月かかると回答している。審査プロセスはキャピタリスト面談(複数回)、社内投資検討会、投資委員会(投資先候補によるプレゼン発表とQ&A)の3ステップ。初回面談にはピッチ資料・事業計画・試算表・資本政策表が必要。
Q8. NVCCは投資後にどこまで関与しますか?
A. 経営に必要な助言、販売面でのアドバイス、上場に関するサポート、役員就任等のハンズオン支援を行う。投資からEXITまで同一担当者が一貫して担当する。役員会社・株主会社・ファンド出資者として関与する150社以上の大手企業とのアライアンス構築支援もある。
NVCCを含む3,700名以上の投資家に、StartupListから直接アプローチ
StartupListには8,500社以上のスタートアップと3,700名以上の投資家が登録。投資ステージ・領域・過去の投資実績から自社に合う投資家を検索し、無料でオファーを送信できる。
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情報源: 日本ベンチャーキャピタル公式サイト・公式発表・報道、StartupList取材



