エンジェル投資家8選!VC化する著名人から注目の投資家まで最新動向を紹介
スタートアップのシード期(創業初期)において、資金面だけでなく、その豊富な経験や人脈で事業の成長を後押しする「エンジェル投資家」。彼らの支援は、多くの起業家にとって成功への重要な鍵となります。
近年のスタートアップエコシステムでは、著名なエンジェル投資家が個人での投資活動と並行し、より組織的にスタートアップを支援する「ベンチャーキャピタル(VC)ファンド」を設立・運営する動きが主流です。
本記事では、日本で特に活発に活動している著名なエンジェル投資家・VC経営者8名を最新の動向と共に紹介。さらに、彼らへのアプローチ方法や、出資を受ける際の注意点についても詳しく解説します。
目次
1. 注目のエンジェル投資家・VC経営者8選
個人のエンジェル投資活動からVCファンドの運営へと軸足を移し、より大きなインパクトを追求する方々や、シリアルアントレプレナー(連続起業家)としてエンジェル投資を行う方々がエコシステムを牽引しています。

1. 本田 圭佑 氏(X&KSK)
プロサッカー選手としての輝かしい経歴を持つ本田氏は、2016年からエンジェル投資家として活動を開始。2025年現在、その活動は個人の枠を超え、スタートアップエコシステムに大きな影響を与えています。
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最新動向: 2024年2月に独立系VC「X&KSK(エックスアンドケーエスケー)」を設立。2025年1月には、ファンド総額が約153億円に達したことを発表し、日本最大級の新興VCとして大きな注目を集めました。投資対象はAI、ディープテック、宇宙産業など先端領域のシード〜シリーズAのスタートアップが中心。本田氏自身のグローバルなネットワークを活かしたハンズオン支援(積極的な経営支援)を特徴としています。
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X (旧Twitter): https://twitter.com/kskgroup2017
2. 千葉 功太郎 氏(千葉道場ファンド)
コロプラ副社長などを歴任後、ドローンや宇宙関連などへのエンジェル投資で名を馳せた千葉氏も、VCファンドの運営が活動の中心です。
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最新動向: 起業家コミュニティをベースとしたVC「千葉道場ファンド」の代表として、精力的に活動中です。2024年3月に3号ファンドの設立を発表し、プレシード・シード期のスタートアップへの投資を加速させています。投資先はスマートコーヒースタンド「root C」や農業支援「AGRI SMILE」など多岐にわたります。
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X (旧Twitter): https://twitter.com/chibakotaro
3. 家入 一真 氏(NOW)
「CAMPFIRE」や「BASE」の創業者として知られる家入氏は、日本を代表するシリアルアントレプレナーであると同時に、次世代の起業家を支援する投資家です。
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最新動向: 2018年に設立したVC「NOW」の共同代表として、シード期のスタートアップを中心とした投資活動を継続しています。自身の豊富な起業経験に基づいた、起業家に寄り添う支援スタイルが特徴です。「次世代の当たり前を創る」ことをミッションに掲げ、社会課題の解決を目指すスタートアップなどを支援しています。
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X (旧Twitter): https://twitter.com/hbkr
4. 有安 伸宏 氏
2025年現在、日本で最も実績豊富かつ活発なエンジェル投資家の一人として注目されています。
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最新動向: 自身もC2C事業の創業・売却経験を持ち、「Tokyo Founders Fund」を共同設立。これまでの投資先は日米で130社を超え、「マネーフォワード」「キャディ」「Kanmu」など、後にユニコーン(企業価値10億ドル超)やIPO(上場)を達成する企業をシード期から支援してきました。2025年開催のスタートアップアワード「QWS STARTUP AWARD 2025」で審査員を務めるなど、公の場での活動も活発です。
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X (旧Twitter): https://twitter.com/ariyasu
5. 赤坂 優 氏
国内最大級のマッチングアプリ「Pairs」を運営したエウレカの共同創業者(代表取締役CEO)です。
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最新動向: エウレカ売却後、日本で最も活発なエンジェル投資家の一人として知られ、その投資先は約90社に上ります。シード期の起業家に幅広く投資すると同時に、2018年にはD2Cブランドなどを手掛ける「franky株式会社」を再び創業。起業家と投資家の両方の視点を持つ存在として、エコシステムで強い存在感を放っています。
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X (旧Twitter): https://x.com/yuakasaka
6. 宮本 邦久 氏
マッチングアプリ「Omiai」を運営するネットマーケティングを創業し、東証一部上場・売却(TOB)を実現したシリアルアントレプレナーです。
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最新動向: 2022年末の代表退任後、エンジェル投資家として本格的に活動を開始。X(旧Twitter)での積極的な発信に加え、多数のピッチイベントにも登壇しています。自身の創業・上場経験を活かした「上場支援」を最大の強みとしており、「次世代の上場社長を輩出するエコシステム」の構築を目指し、プレシード・シード期の起業家を精力的に支援しています。
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X (旧Twitter): https://x.com/an0gel0
7. 古川 健介 氏(けんすう 氏)
「nanapi」の創業・売却を経て、現在は「アル株式会社」を経営する古川氏(通称けんすう氏)も、活発なエンジェル投資家として知られています。
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最新動向: 「アル株式会社」の代表として、2024年以降は特にNFTプロジェクト(「sloth」など)に注力しています。エンジェル投資家としては、「YOUTRUST」や「カバー」といった著名企業に初期から投資。独特の投資哲学を持ち、自身が得た利益をエコシステムに還元する姿勢は、多くの起業家から支持を集めています。
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X (旧Twitter): https://twitter.com/kensuu
8. 中川 綾太郎 氏
女性向けキュレーションメディア「MERY」の創業・売却経験を持つシリアルアントレプレナーです。
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最新動向: 現在はD2Cブランドを展開する「newn株式会社」や、音声配信プラットフォーム「stand.fm」の運営を率いる傍ら、エンジェル投資家としても継続的に活動。過去の投資実績は約70社に上るとされ、リアル投資ドキュメンタリー番組「ANGELS」に出演するなど、著名エンジェル投資家の一人としてメディアでも活躍しています。
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X (旧Twitter): https://twitter.com/ayatan48
2. エンジェル投資家の探し方
事業がシード期において、実績あるエンジェル投資家に出資してほしいと考える起業家は多いでしょう。しかし、どうすれば彼らに出会えるのでしょうか。主な方法を紹介します。

SNSで直接連絡する
上記で紹介した方々を見てもわかる通り、多くのエンジェル投資家はX(旧Twitter)やnoteなどで積極的に情報発信を行っています。 彼らの投資哲学や現在の関心領域、人柄などを知る上で、SNSは非常に有効なツールです。
投資家によってはDM(ダイレクトメッセージ)を開放している場合もあり、直接コンタクトを取ることも可能です。ただし、日々大量のメッセージを受け取っているため、簡潔かつ熱意の伝わるメッセージを送ることが不可欠です。
<コールドDMのポイント>
①自分が何者で、なぜその投資家に連絡したのかを明確にする。
②どのような課題を解決する事業なのかを3行程度で説明する。
③詳細なピッチ資料(事業計画書)をいきなり送りつけず、まずは面談の打診をする。
知り合いを通じて連絡を取る
接触の確率が最も上がるのは、やはり信頼できる知り合いを通じて連絡を取る(リファラル)ことです。
SNSやメールでの突然の連絡(コールドDM)は、多忙なエンジェル投資家には中々目を通してもらえないことも多いのが現状です。投資家も、信頼できる人物からの紹介であれば、安心して時間を割くことができます。
そのため、もしエンジェル投資家に近い知り合い(すでに出資を受けている起業家、VC関係者、メンターなど)がいるなら、その方に紹介を頼んで接触を試みることが最善手の一つです。
ただし、紹介を依頼する際にもマナーがあります。紹介者の顔に泥を塗らないよう、要件を明確にし、すぐに共有できる簡潔なピッチ資料(エレベーターピッチ用の1枚資料や、5分で説明できるスライドなど)を予め準備しておくのが賢明です。
エンジェル投資家が登壇するイベントや交流会に参加する
エンジェル投資家は、スタートアップ向けのイベントやカンファレンス、ピッチコンテストに審査員や登壇者として参加することが頻繁にあります。
こうしたイベントは、投資家の生の声を聞けるだけでなく、名刺交換や質疑応答、懇親会などを通じて直接コミュニケーションを取れる貴重なチャンスです。
現在はオンラインでのイベントも多いため、地方の起業家でも参加しやすくなっています。目当ての投資家が登壇するイベント情報は、SNSやイベント告知サイトで常にチェックしておきましょう。
マッチングサイトやピッチコンテストを活用する
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マッチングサイト: 起業家と投資家を繋ぐマッチングプラットフォーム(StartupListもその一つです)に登録するのも一つの手です。手軽に投資家にアプローチできる反面、どのような投資家が登録しているか見極めが必要です。
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ピッチコンテスト: 著名な投資家が審査員を務めるピッチコンテストに応募し、勝ち進むことで、多くの投資家の前で事業をアピールできます。入賞すれば、賞金だけでなく、複数の投資家から出資のオファーが来る可能性もあります。
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3. エンジェル投資家から出資を受ける際の注意点
エンジェル投資家からの出資は、シード期のスタートアップにとって非常に心強いものですが、契約を結ぶ前に理解しておくべき注意点もあります。

ベンチャーキャピタルほどの出資規模ではない
まず、エンジェル投資家は個人投資家であるため、法人であるベンチャーキャピタル(VC)や事業会社ほど出資規模が大きくないのが一般的です。
VCが数千万円〜数億円の出資が期待できるのに対し、エンジェル投資家の場合は数百万〜数千万円規模となります。そのため、事業立ち上げのシード期には最適ですが、その後のアーリーステージ以降で大規模な資金が必要になった場合、別途VCなどからの資金調達が必要になります。
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経営への関与の度合いと相性
エンジェル投資家は、単に資金を提供するだけでなく、自身の経験を活かして経営にアドバイス(メンタリング)をすることが多いです。
経営者としての経験豊富な投資家が経営に参画(取締役や顧問など)することは、起業家にとって非常に有益です。しかし、そのアドバイスが起業家の考える方向性と必ずしも一致するとは限りません。
投資家との相性が悪い場合、過度な干渉が経営の足かせになる可能性もあります。出資を受ける前に、どのようなスタンス(ハンズオン型かハンズオフ型か)で関与を望んでいるのかを、投資家とすり合わせておくことが極めて重要です。
株主としての説明責任
エンジェル投資家から出資を受ける(株式を持ってもらう)ということは、彼らが「株主」になることを意味します。そのため、当然ながら経営に関する説明責任が発生します。
VCへの報告と同様に、定期的な株主報告会などを通じて、事業の進捗や財務状況を説明しなくてはなりません。
もし複数のエンジェル投資家から少額ずつ出資を受けた場合、その全員に対して説明責任を果たす必要があり、株主対応のコスト(手間や時間)が予想以上に大きくなる可能性も考慮しておきましょう。
コンプライアンス・情報管理への配慮
著名なエンジェル投資家は、多くのスタートアップに出資しているケースがほとんどです。その中には、自社の競合、あるいは将来競合になりうる企業が含まれている可能性もゼロではありません。
投資契約において秘密保持契約(NDA)を締結するのは当然ですが、投資家との日々のコミュニケーションにおいても、機密性の高い情報(技術の詳細、顧客リストなど)の取り扱いには細心の注意が必要です。
4. まとめ
2025年のエンジェル投資家は、個人の資産で投資する従来型に加え、自らVCファンドを組成してエコシステム全体を底上げする「VC経営者」としての側面がより強くなっています。
また、本田氏のような著名人、有安氏、赤坂氏、宮本氏のような成功した起業家がエンジェル投資家として次世代を支援する流れは、ますます加速しています。
起業家にとって、エンジェル投資家は単なる資金の提供者ではなく、事業を共に成長させる「最初のパートナー」です。本記事で紹介した方々の動向や探し方、注意点を参考に、自社のビジョンに共感し、最適な支援を提供してくれる投資家との出会いを探してみてください。
画像:Unsplash
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