シリーズAとは?資金調達における特徴や調達先、投資ラウンドを紹介

シリーズAとは?資金調達における特徴や調達先、投資ラウンドを紹介


シリーズAとは?資金調達における特徴や具体的な資金調達先、投資ラウンドとの関わりを紹介


シリーズAは、投資ラウンド(投資家目線から見たスタートアップの事業段階)の1つです。投資家がスタートアップ企業の事業段階を把握し、投資判断や投資額を決定する際に用いられます。


本記事では、シリーズAの特徴や具体的な資金調達先、他の投資ラウンドであるプレシリーズAやシリーズBとの違いをわかりやすく解説します。



前川英麿さん 監修

プロトスター株式会社 代表取締役CEO


早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社(現、大和企業投資株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社)に入社し、ベンチャーキャピタルに従事。その後、常駐のターンアラウンド支援に特化したフロンティア・ターンアラウンド株式会社を経て、2015年スローガン株式会社に参画。投資事業責任者としてSlogan COENT LLPを設立し、執行役員カンパニープレジデント就任。2016年11月に挑戦者支援インフラを創るべくプロトスター株式会社を創業。


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シリーズAとは?


シリーズAは、投資家がスタートアップ企業の事業段階を把握するために用いる投資ラウンドの1つです。


そもそも投資ラウンドとは?


投資ラウンドとは、スタートアップ企業の事業段階を投資家目線で区別したものです。


投資ラウンドは、事業段階順にエンジェル、シード、プレシリーズA、シリーズA, B, C…のように分けられています。


それぞれのラウンドの特徴を見やすいように表にまとめました。



投資ラウンドは、マイルストーンと呼ばれる中期的な目標が達成される毎に変化します。マイルストーンとしては、チームの有無やプロダクトの開発状況、トラクション(顧客からのフィードバック)の有無、マネタイズができているかなどが挙げられます。


投資ラウンドに関しては以下の記事により詳しくまとめられているので、さらに深く理解したい場合にはご一読ください。


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投資ラウンドとは?専門家が教えるスタートアップの資金調達と注意点


シリーズAの特徴




事業段階

シリーズAは、売上増加のためユーザーのさらなる獲得に伴う販路拡大を行ったり、また収益化するためにマネタイズの達成を目指す段階です。


調達金額・期間

シリーズAでは、ユーザーの獲得のため、人材採用を積極的に行い、営業やマーケティング担当者の人材を増やしたり、需要の拡大に伴い製造ラインの拡充を行う必要があります。


そのため、調達した資金の使い途は主に

・人材採用に伴う費用

・マーケティング費用

・製造ライン拡大に伴う設備投資費用

となります。


資金調達の相場は、数億円程度です。調達までの必要な期間は、半年を見積もっておきましょう。


プレシリーズA・シリーズBとの違い


投資ラウンドは、企業の中期的な目標であるマイルストーンが達成するごとに変化します。


プレシリーズA




プレシリーズAは、PSF※1、PMFの達成を目指している段階です。α/β版のプロダクトを顧客に実際に使用してもらい、ユーザーの反応を見ながら、製品のブラッシュアップを進め、サービスが使われるマーケットを見極めている状態です。


プレシリーズAからシリーズAへ進む上では、PMFの達成がマイルストーンとされています。PMFが達成されているかは、自社の製品サービスが適切な市場で展開されているかどうかによって判断します。

具体的に、PMFが達成されているかどうかを検証する際の1つの手法として、DropboxやEventbriteの初期の成長を担い、グロースハッカーという言葉を作ったSean Ellisが作った次のようなテストがあります。


もしこのプロダクトが使えなくなったとしたら、どう感じますか?

1. とても残念である

2. まあまあ残念である

3. 残念ではない (あまり便利ではなかった)

4. もうこのプロダクトを使っていない


このテストで継続的に40%以上の人が1のとても残念であるを選んだ場合、PMFが達成されているのではないかとされています。


また、PMFはこれといった定義がなく、曖昧な概念ですが、Netflix、Uber、Airbnbなどのアメリカで成功したスタートアップの創業者たちの多くが、PMF達成の瞬間は、自分から働きかけなくても発注が止まらず、受注が追いつかない状態になり、PMFが達成されたかタイミングは明確にわかると述べています。以下の記事にPMF達成の瞬間に関して、創業者がどのように感じたのか、わかりやすくまとめられています。


【関連記事】

Netflix、Uber、Airbnb、Dropboxの創業者たちが語る「プロダクトマーケットフィットの瞬間」


※1 PSF(プロブレムソリューションフィット)とは、自社の製品サービスが顧客の課題を解決するのに、最適な方法である状況を指します。PSFの達成を確認するためには、実際に顧客に自社製品サービスを使用していただき、反応をみる必要があります。


シリーズB




シリーズBは、マネタイズが検証され、さらなる集客のために、機能を拡充したり、新製品の開発などを行っている段階です。


マネタイズの検証は、Unit Economicsが健全な状態かどうかで判断します。Unit Economicsが健全な状態かはLTV※2がCAC※3を上回っているかどうかで判断します。SaaS系のスタートアップの場合は、

LTVをCACで割った値が、3を上回っている場合にUnit Economicsが健全な状態であるとされています。


※2 LTV(Life Time Value)とは、1人の顧客から生涯を通して得られる利益、顧客生涯価値を指します。


※3 CAC(Customer Acquisition Cost)とは、1人の顧客を獲得するためにかかる費用、顧客獲得コストを指します。


シリーズAの資金調達先


シリーズAの資金調達先としては、主に2つが挙げられます。

・VC(ベンチャーキャピタル)

・CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)


VC(ベンチャーキャピタル)

VC(ベンチャーキャピタル)とは、高い成長が見込まれるベンチャー企業やスタートアップ企業などの未上場企業に対して投資を行う会社のことです。


資金面での支援を行う代わりに投資先の企業の株式を取得し、投資先の企業が上場したり、大企業への合併や売却などをして、株価が上がった時に取得した株式を売却することで利益(キャピタルゲイン)を得ることを目的としています。VCでは資金を出資するだけでなく、ハンズオン(経営アドバイス、人脈の提供、施設の提供など)と呼ばれる経営支援を行うところもあります。


CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)

CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)とは、本業は投資とは別にある事業会社が、自社の事業とのシナジーを期待して、投資を行う組織のことを指します。VCが純粋なキャピタルゲイン(株式の売買時と購入時の差額による利益)を目的としており、事業とは独立しているのに対して、CVCは事業会社の資産で運営されており、自社事業とのシナジーを主な目的として行われています。


具体的な資金調達先

・JAFCO

・XTech Ventures

・GMOベンチャーパートナーズ

・グローバル・ブレイン

・慶應イノベーション・イニシアティブ

・DNX Ventures

・Global Catalyst Partners Japan

・Femto Partners

・DCMベンチャーズ


以下の記事ではStartupListで独自取材したGMOベンチャーパートナーズと慶應イノベーション・イニシアティブの特徴や投資判断のフローに関して、詳しくまとめているので、さらに深く理解したい場合にはご一読ください。


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GMO VenturePartnersの特徴・投資先実績・投資判断のフローを徹底解説


慶應イノベーション・イニシアティブの特徴・投資先実績・投資判断のフローを独自取材


投資家の投資判断基準

シリーズAの投資家は投資する上で、大きく以下の3点を重要視しています。

①PMFの達成

②スケールするための戦略や施策

③創業チーム(過去の実績や経験、起業への経緯を踏まえた事業領域へのフィット感)


シリーズAからシリーズBへのマイルストーンは「スケールまでの展望が見えているか」「マネタイズできているか」であるため、そのための戦略や施策が投資家に見られます。また、シリーズCやIPO、M&Aなどの長期的な段階に向けての展望なども重要視されます。


まとめ

本記事では、投資ラウンドの1つであるシリーズAの特徴や他のラウンドとの違い、具体的な資金調達先などを紹介しました。シリーズAでの資金調達は、本格的に事業を始めた段階での資金調達となるため、調達額が大規模かつ調達期間が長期に渡ります。そのため、自社にあった資金調達先から余裕を持った資金調達をしましょう。



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